【銀魂】的中率20%

わからない人 ページ22

(・・うぅ、吊り橋効果、恐るべし)





現在、私のアパートに向かい、見慣れた道を
進んでいるわけなのだが。・・私の隣には、
見慣れぬ光景が広がっている。

ーー銀髪を揺らし、あくびをかますその人が。






「さ、坂田さんは、武闘派なんですね！」

「・・そうだな」


「お強いんですね！あんな屈強なごつい男を
一瞬で伸しちゃうなんて！」

「・・そうだな」


「お、驚いて声も出ませんでした！」

「・・・そうだな」




全く、さっきから同じ言葉しか返答されない
この状況は何なのだ。

ここは別に、かの有名な伝説の昼番組では
ないのだ。同じ言葉を並べる必要はない。
ぜひとも違う単語で返して欲しい。





「ーーーつかお前よ、」

「はい？」




「ティッシュ配りはいいわけ？」

「ティッシュくば・・、ーーあぁぁあ！」





やっと返された別用語。だがそれは、
嬉しさと同時にある程度の絶望を私に与える こととなった。





「どどどうしましょう坂田さん！上司が厳しいんです！きっとクビにされてしまうっ！」


「俺にゃどうもできねーよ。お前が勝手に
ついてきて、勝手に襲われかけたんだろうが」


「襲われてましたって言えば通じますかね？」

「90%無理だろうな」


「・・・どうしたら良いですか」

「こういう時こそ占えよ占い師」



確かにそうである。
もう吊り橋効果どころか、違うことにドキドキ
してしまっている始末だ。坂田さんから
意識が逸れたのはある意味嬉しい誤算だが、

それより何より私のクビと生活がかかってる。




「ひとまず家帰って着がえろ。胸見せびらかしてまた捕まりてーのか」


「破廉恥です！！」





胸の中心まで見えてるわけないでしょうが。
・・結局何だかんだ言って、さりげなく後ろに
わたしを隠してくれているようなのだから、
坂田さんは、本当にわからない人だ。

理性と行動→←吊り橋効果

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す