ご贔屓に ページ3
ー銀時サイドー
「信用を得るため、手始めにあなたのことを
当ててみせましょう」
何やら神妙な雰囲気で、水晶玉らしきそれに
手をかざした女は、「ふーむ、」と一つ唸る。
「・・・おい、早くしろよ。俺今からパチンコ
行かなきゃなんねーんだよ」
「ーーー見えました!!」
何が見えたのやらこちらにはよくわからないが
本人は水晶玉の中に俺の運命か何かを
発見したらしい。
「・・お兄さん、あなた兄弟がいますね!」
「いや、いねーけど」
「ですよね!そう示されております!」
一発目から外してやがると、最初から底辺だった期待値はマイナスにめり込んだ。
・・・が、女は諦める気はなさそうで。
「なら、・・あ!あれです!奥さんとは
職場恋愛でご結婚なさっ____ 」
「ってないな」
「そ、そう!なさってないですよね!」
そのあとも、辛党、好物はすっぽん、などなど
はずれにもほどがあるネタをぶっ込んできた。
ここまで外れるのは逆にすごくないだろうか。
「ーーーあなたは今、パチンコに行きたくて
たまらない!」
「それさっき俺が言ったやつじゃねーか」
「・・チッ、」
「おい聞こえてるぞ占い師」
つまるところ、この女は、世間にはびこる
インチキ占い師だということだ。
次の手を考えているらしいそいつが、もはや
哀れにさえ思えてくる。
「・・・お前さ、こういう悪どいことは
ここらでやめとけって。顔は見えねーけど
まだ若そうだしよ」
「なっ、・・私は占い師です!
悪ではありません!」
「つっても、その占い当たらねーじゃん」
「的中率、驚異の20%ですよ!?」
「確実に数打ちゃ当たる戦法だろーがそれ」
バン、と机を叩き立ち上がった女。その拍子に
水晶が、地面へと転がり落ちた。
「ーーー・・手厳しいですね流石常連さん」
「勝手に常連にされたんだけど」
まあ何はともあれ、若くしてこんな商売
始めちまうくらいだ。それ相応の生い立ちが
あるのだろう。
「常連になんのはごめんだが、ーーほれ」
「あ、お代はいただけません!」
「頼まれても払わねーから安心しろ」
いらねェいらねェと思いつつ、数枚作った
味気ない名刺の一枚が、使いどころを見つけた
「万事屋銀ちゃん。ーー何でも屋だ。
金さえありゃ何でもする。・・ま、困った時は
贔屓にしてくれや」
無言で受け取った女が、また何やら喋りだす
前に、俺はパチンコへと繰り出すことにした。
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シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!訂正いたします! (2017年5月3日 9時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - スピリチュアルのところで、「今呪い殺した“胃”相手とかいない?」になってます! (2017年5月2日 14時) (レス) id: 1847792d84 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - しらたま。さん» ありがとうございます!楽しんで書かせていただくので、皆様にも伝えられる作品にしていきたいと思います!よろしくお願いいたします! (2017年4月26日 13時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 戦胡蝶さん» ありがとうございます!そう言っていただけると、救われます!笑。最初の1話しか考えてなくて、今迷走中です!作者と夢主の暴走を、見守ってください! (2017年4月26日 13時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» 有難うございます!私まで頭の中がハチャメチャになっちゃうような作品を目指します!笑。的中率は上がるのか!?みたいな…。ノープランで書いてます!ぜひおヒマな時にでもよろしくお願いします! (2017年4月26日 13時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年4月23日 0時