【銀魂】静かにしてくれませんか。

黄色い声 ページ36

「ーーそりゃ、なんつーか、・・すまねーことしたなァ」



頭をかく、真選組のトップ。ーー近藤さん。
たった今、すべての事情を話し終えたところだ

ちなみに、その人の顔は腫れ上がっており
真っ赤な鼻血を垂らした何とも悲惨な状態だ。

身を案じれば、いつものことだから、と衝撃的
な答えが返された。一体どんな生活してんだ。






「・・そのことについて、トップのあなたから
も沖田さんに提言していただけませんか」


「全く、・・総悟の奴ァしょうがねーな」




心底申し訳なさそうに眉を下げる。
どうやら、お妙さんへの奇行と常人離れした
タフさ以外は、普通の善人らしい。

「俺からもよく言い聞かせるから」と、謝罪と
ともに頭を下げてくれたその人に安堵していれば、ーー突然、・・何やら入り口から黄色い声が上がっており。








「ーーーなあに近藤さんにチクってんでィ」

「・・・げっ」




押し寄せるキャバ嬢の群れの中から姿を
現したのは、ーー紛れもない、私の強敵

・・・と、命を狙われているらしいその上司。



そしてその第一声は、私に向けられた物らしい






「総悟！トシ！どうしたんだお前ら！」

「どうしたもこうしたもねーよ。・・近藤さん
あんた今日は警察庁に呼ばれてんだろうが。
とっつぁんが屯所に迎えに来た」

「・・・・・あ！」

「あ！じゃねーよ。ったく、おかげでこっちは
大惨事だ。仕事ほっぽりだして迎えにくる羽目
になっちまった」





一気にたちこめる紫煙の匂い。
何とも渋く顔を歪ませた上司さんに近藤さんは
悪い悪い、と笑った。





「とっつぁんの発砲で屯所は蜂の巣だらけでさァ。さっさと帰って鎮めてくだせェ」


「え！発砲！どこに！？」

「あんたの部屋です」


「あああああ！！俺のお妙さん隠し撮りポスターがァァア！！」




風のように去っていった近藤さんに唖然とする
私と、動じず飲み続ける坂田さん。

何ともあんぐりな光景に、「ーーで、」と
一つ声を落としたのは沖田さんだった。






「チクリたァタチが悪ィや。近藤さんは人がいいモンで、すぐ戯言に流されちまう」

「誰の苦情が戯言？純然たる事実でしょ」

「しかも頼みの綱が、・・まさか旦那たァ」




じろり。その人の視線の向かう先にはすでに
顔を赤くした坂田さんが見える。




「んだとコノヤロー！俺ほど頼りになる男は
いねーよ？なあAチャン」


「・・触らないでもらえますか」



肩に腕を回され、酒臭さに顔をしかめる。

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