【銀魂】静かにしてくれませんか。

トップとは？ ページ35

「あ、お妙さん！そんなとこに隠れちゃって〜。もしかして照れてるんですか！？」


「隠れてませんし、照れていません」


「え！？んじゃ体が火照っ・・っておいいい！
何でお前ェがお妙さんの横にいんだよ！」




入り口でまくし立て、次いでお妙さんというらしい坂田さんの知り合いを見つけ、顔をへにゃりと緩めたその客は、こちらへ突進してきて。





「ーーーほら、こいつがトップ」

「坂田さん、騙されませんよ」

「いやまじだって。ゴリラっぽいだろ」

「そこじゃありません」





ゴリラか人間かなど審査対象外だ。
私が言いたいのは、この男のどこにトップの
威厳があるのだろうかということ。






「あ、そうだった。今日はあなたにお客さんが
来てるんですよ」

「え？俺に客？」




お妙さんに視線でさされた私は、ひとまず
一つお辞儀。男性もそれに合わせて「どーも」
と一言返してきた。ゴリラ・・ではなく、
正式に言えば人間のようだった。安堵する。






「おいゴリラ、お前部下にきたクレームくらい
耳に通しとけよ」

「クレーム？」


「こいつからの」


「・・・葉山Aと申します」




坂田さんに促され名乗りでれば、その人は
「へー、」と感嘆をもらし、笑みを浮かべた。




「万事屋の知り合いにしちゃ
随分礼儀正しいなァ！」

「おいゴリラどういう意味だコラ」





キャバクラで繰り広げるにはあまりに場違いな
会話。ここでクレームをいれるのも何だか
拍子抜けではないか。こっちは至極真面目に
話し合いにきてるわけだし。






「坂田さん、とりあえず店でませんか」

「は？何言ってんのおたく」





きょとんとした顔でこちらを見やる坂田さん。
おもむろに私の耳に小声が落とされる。




「ーーあのゴリラ、相当金持ってんだ。
俺らも乗っかってタダ酒かっくらおうぜ」

「外道ですね」





結局、撤退案に賛同した者は私以外おらず。

トップゴリラも、いつの間にやらお妙さんに
飛びついてはアクロバティックな技を決められており、もう逃げられる雰囲気でもない。

何よりまだ話ができてない。


ここは諦めようと、肩を落とした。

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