【銀魂】静かにしてくれませんか。

危ない方の人 ページ24

仕事終わり、暗い闇の中にポツリポツリと灯る街頭に照らされながら、長めのため息をついた。


・・まだ仕事をして数日だけれど、いつもの倍疲れがひどいのは、確実にあいつのせいである






「ーーー・・まさか宿敵とあんなところで」




挙句、何が目的なのかわからないけれど、奴は
まだ来ると、呪いのように吐き捨てて帰った。
この疲労にもきっと関係してる。

着実に呪いが私の体を蝕んでる。



加えて明日の早朝も優雅な朝が迎えられそうに
ないわけで。これじゃあストレスの板挟みだ。





「・・とにかく、どちらかのストレス源を
絶たないと」




まずは破壊活動をやめさせるか。
ーーそれとも、私がバイトを変え・・るのは
癪にさわる。あの男のせいでせっかく見つけた
バイト先をやめるなんて馬鹿馬鹿しい。

何より沖田さんのことだし、・・そんなことを
したら悪気を感じるどころかからかわれそうだ






「ーーはぁ、・・パンピーの力のなさ」



例えば私がどっかの姫であったならば、
権力を駆使してやることやるのに。

・・なんて。私としては珍しく、
そんな非現実的な妄想まで湧いてくる始末だ。


目頭を押さえてヨロヨロ歩く私をよそに、
満天に輝く星は何の心配もなさそうだ。








「ーーーッ、すみません」



そんな最中、ちゃんと前を見ていなかったものだから、道行く人にぶつかってしまい。

咄嗟に謝り顔を上げた先では、一人の男性が
「ねーちゃん大丈夫かよ」と眉をしかめていた





「なんかフラフラしてんな」

「・・いえ。少し呪いを受けまして」

「呪い？」


「・・・比喩です」

「比喩？ーーあぁあれね。いやわかるよ？
あれ、・・・・あ、醤油発酵させたやつだろ」


「醤油は元々発酵してます」




何だかよくわからない人にぶつかってしまった

人通りはゼロでないとはいえ、決して多いとも
いえないここら一体。・・まさかこの人危ない方の人だったか。そういう類なのか。


ーー夜風に銀髪を揺らすその男は、気だるげな
目で私を見下ろした。





「・・まあよくわかんねーけどよ、人生いろんなことあっから。俺だってさっき、久々に入った金二倍にしてやろうと球打って、二分の一に
しちまったんだ。そう落ち込むなよ」

「落ち込んでいませんし、私の抱える問題は
そんな程度の低いものではありません」


「ねーちゃん、一応俺ら初対面ね」

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