【銀魂】晴れのち煙

お小遣いくらい ページ42

今日の私は、喫煙所に向かうでも、
街をぶらつくでもなく、

広い敷地内の静かな一室で、お茶を啜っていた






「ーーーまた、お願いしたい」

「あら、またタバコ代がなくなったんですか？Aさん」





うなずいた私に、

しょうがないですね、と綺麗に笑うこの人は
新八の実姉。艶のいい茶髪をポニーテールに
まとめた彼女は、私の影の雇い主だ。






「銀さんったら、また給料払わないんですか？
そろそろ警察に訴えたらどうです？」


「・・仮にも弟の職場の上司では」
「銀さんがいなくても成り立つでしょ」


「・・・」




何とも非道である。こんな綺麗な笑顔で
言われてしまえば、返す言葉もないというもの





「私は、無給って契約だから」

「でもお小遣いくらいもらってもバチは
当たらないと思いますよ」






だよね、そうだよね。やはり奴がおかしいんだ
無給といっても、本当に無一文にされるとは
思ってもみなかったし。慈悲の一つもない。
・・いやまあ、まず仕事がないんだけども。


そのせいで、こうして他のバイトを見つける
羽目になってるわけだ。







「ーーーそれで、えーっと、いつから入ります？店長の首は私が縦に振らせますから」


「・・・折らない程度にお願いしたい」

「尽力しますね」




折らないとは言い切らないのか。
つまり折る気である。初対面の時にも思ったが
この美女は只者じゃない。






「・・でもAさん、いつも言ってますけど
笑って喋ってくれなきゃダメですよ？

ーーーキャバクラなんですから」





そう。・・私のバイトとは、お妙ちゃんの
勤めるキャバクラ、"スマイル"の助っ人である

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