一服どころじゃない ページ40
ー土方サイドー
「ーーーー何してんの、お前」
「・・・生死の境を散歩中」
「つまりは死にかけてやがんのか」
いつもの喫煙所。もうすでに足も道に馴染み
何気なく通集めるようになっていた。
ーーそして、毎度というわけではないが、そこではかなりの頻度である女と顔を合わせており
今日も狭い個室の中には、見覚えのあるそいつが一人、簡素なパイプ椅子に腰掛けていた。
・・・・のだが、・・どうやら、寿命が尽きる
手前らしい。何があったのやら。
「ーーータバコが、尽きた」
「は?」
「万事屋が経営難」
「・・・そりゃいつものことだろーが」
つまるところ、万事屋の貧乏性ゆえに、
タバコが買えないということか。
・・・こいつの少ねェ語数の中から意図を読めるようになっちまったことに対しては、至極複雑な念を抱かずにはいられないが、ともかく今は、ーー目の前でパイプ椅子に身を預けるそいつが醸す悲壮感だ。
とても近くで一服できる雰囲気ではない。
「・・・せめて匂いをと思って」
「ここは焼肉屋の換気扇前じゃねーぞ」
肉の焼ける匂いで飯を食う輩がいると思えば
今度は副流煙で心を満たそうとする輩が出てきやがった。まだ前者の方が健全だろう。
ひとまず懐から一本取り出したところで、
ーー火をつけるのをやめた。
「ーーーったく、・・んなツラで見られてちゃ
吸えねェだろうが」
「吸えよ。副流煙ぷりーず」
「既に精神に異常をきたしてるな」
横から垂れ流される羨みの視線が突き刺さる
この状況でどう一服しろというのだ。
深くため息を吐き出し
ーーー再び、懐に手を入れた。
「ーーーほらよ」
「・・・・・え?」
箱から一本出したそれを、女、ーーAに
差し出した。
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シュシュ☆☆(プロフ) - rinさん» ありがとうございます!楽しんでいただける作品になっていたら光栄です!返信遅れてしまい申し訳ありません!これからも頑張ります! (2017年2月21日 11時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - いつも楽しみに読まして頂いてます!これからも応援してます!頑張ってください! (2017年2月6日 0時) (レス) id: ca02d9a1b7 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 謎さん» ありがとうございます!あくまで、私の予想図、という形で描かせていただきます。少々お待ちいただければと思います! (2017年2月5日 10時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
謎 - いきなりリクエストすいまんせん(´Д`) (2017年2月5日 0時) (レス) id: 7fba721a26 (このIDを非表示/違反報告)
謎 - 主人公のイメージ画像を書いてほしいです (2017年2月5日 0時) (レス) id: 7fba721a26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年1月27日 14時