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"何か" ページ29

ー土方サイドー



「そういや最近は、巡回中のあんたの喫煙場所って言やァ、専らあの喫煙所ですかィ」

「・・別にあそこに固定してるわけじゃねェ」


「しかも女の隣たァ、
土方さんも隅に置けねーなァー」


「お前いつになったら人の話を聞くという
スキルを覚えんだよ」




やはりこいつとの巡回は最悪だ。
今日はパトカーであるからまだよかったものの
いつ隣からちょっかいをかけられて車を
スリップさせないかヒヤヒヤしてしまう。

運転席に座ってしまった自分を恨みながら、
会話を振り返る。ーー喫煙所、か。






(・・吸えるならどこでもいいんだが)



確かに総悟の言う通り、最近はあの喫煙所へ
向かうことが多くなった。もちろん、街に
喫煙スペースが少なくなったという理由もあるが



「例の女の素性でも調べてんですかィ」

「・・前も言ったろ。あの女については
放っとけってな。俺も妙な勘ぐりはやめた」



最初こそ、ーーいや、今もあやしいが、
あいつの場合、きっと俺に怪しまれていることも、何かを探るように詰問していることも、
全てお見通しだろう。

・・そんな気がするのだ。それならば、
調べるだけ無駄というもの。





「万事屋の連中にゃできるだけ関わりたくねーんだよ。・・ろくなことがねェからな」




車についた簡易灰皿に吸い殻を落とす。
総悟が煙たそうに窓を開け放つところをみると
かなり煙が蔓延してしまったらしい。

換気を始めて少し、・・そいつは呆れたような
目で俺を一瞥して。






「にしちゃあアンタ、ーーあの女のことは気に
入ってるように見えるんですが?」


「眼科行ってこい」





気に入ってる?俺が?ーーあんな、口数の少ねェ無愛想女を?・・バカな。





(・・・ただでさえ、女に触れる機会も
少ねェってのに)





単純に、一緒の喫煙所でともに紫煙を
交えただけの仲だ。顔見知りとも言い難い。

実際、俺の脳裏に浮かんでくるのは、
タバコを唇に挟んだそいつの横顔ばかりで。








(ーーー・・よく考えてみりゃ、まともにツラ
見たことねーな)




そう気づくと、何か心の奥底で疼くものがある

それが何かわからない。ーーが、もどかしさ、
じれったさに似た何かだ。






「・・ま、今後を楽しみにしてまさァ」



からかい交じりにつぶやかれた総悟の言葉も
スルーしてしまうほどに、

俺はこの時、ーーその"何か"に夢中だった

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設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 万事屋   
作品ジャンル:アニメ
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シュシュ☆☆(プロフ) - rinさん» ありがとうございます!楽しんでいただける作品になっていたら光栄です!返信遅れてしまい申し訳ありません!これからも頑張ります! (2017年2月21日 11時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - いつも楽しみに読まして頂いてます!これからも応援してます!頑張ってください! (2017年2月6日 0時) (レス) id: ca02d9a1b7 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 謎さん» ありがとうございます!あくまで、私の予想図、という形で描かせていただきます。少々お待ちいただければと思います! (2017年2月5日 10時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
- いきなりリクエストすいまんせん(´Д`) (2017年2月5日 0時) (レス) id: 7fba721a26 (このIDを非表示/違反報告)
- 主人公のイメージ画像を書いてほしいです (2017年2月5日 0時) (レス) id: 7fba721a26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年1月27日 14時

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