検索窓
今日:36 hit、昨日:6 hit、合計:444,014 hit

過去を引きずる ページ28

万事屋の敷居をまたげば、
夕飯前ということもあって、いい匂いが
台所から立ち上っていた。




「・・・グラタン」

「あ、おかえりなさい、Aさん。
相変わらず鼻が効きますね」



案の定、調理していたのは新八だった。
他の奴らはいつも通りソファの上である。

その1人が、顔に乗せたジャンプの隙間から
こちらを覗き見る




「ーーーお前、また喫煙所行ってたんだろ」

「・・銀時に追い出された」

「人聞きの悪いこといってんじゃねーや」



俺はガキどもの肺を気遣ってだな、云々。
前は、俺のキューティクルがどうのとわめいて
いたというのに何という変わり身の早さだ全く




「で?土方君とはどこまでいったんだ」

「・・・・は?」


「いやお前、あの野郎に会いに行ってんだろ」
「人聞きの悪いのはそっち」



喫煙所に行く理由は合コンじゃない。
タバコを吸いに行くという第一目的がある。

そこからの成り行きで居合わせたあの男と
喋っているだけだ。特に深い理由はない。






「ーーでもよ、お前が誰かと会話するってこと
自体が珍しいだろ?」

「・・喋れないわけじゃないから」


「でも喋らねーじゃん」

「死ね」
「え、何で」




今すぐここで、一気に3本ほど吸ってやろうか
副流煙で肺を腐らせてしまえ


ソファでねむりこける神楽をよけて、
隙間に腰を下ろす。・・この騒音で起きないのだから夜兎とはどんだけ睡眠欲が強いんだか。






「でも実際、最近よく喋るように
なったよな、お前」


「・・・そんなことはない」

「こういうのは第三者の方が
よくわかるもんなんだよ」




土方君のおかげ?、と。鼻にタバコ突っ込んで
やろうか。




(まあ確かに、彼と話すのは嫌ではない、けど)



それによって自分が饒舌になったかと言われれば頷きがたい。だって現在進行形でお喋りは
あまり好きではないし。






「・・・でも、彼は警察」

「ほとんど警察じゃねーだろありゃ」


「銀時、元攘夷志士でしょ」



「気をつけろって?」




名もしれない輩ならまだしも、こいつは
"白夜叉"との異名を戦場に馳せた男だ。

頷きを返せば、銀時はため息を漏らし。







「言っとくが、ーーそりゃテメェもだろ」




「・・私はしがない一兵隊だから」

「嘘つけ、影の先導者」

「・・・何それ、ちょっとかっこいい」





過去は振り返らない、なんて言っときながら
1番過去を引きずっているのは、
実は私なのかもしれない。

"何か"→←嬉しいやら寂しいやら



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (255 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
513人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 万事屋   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

シュシュ☆☆(プロフ) - rinさん» ありがとうございます!楽しんでいただける作品になっていたら光栄です!返信遅れてしまい申し訳ありません!これからも頑張ります! (2017年2月21日 11時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - いつも楽しみに読まして頂いてます!これからも応援してます!頑張ってください! (2017年2月6日 0時) (レス) id: ca02d9a1b7 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 謎さん» ありがとうございます!あくまで、私の予想図、という形で描かせていただきます。少々お待ちいただければと思います! (2017年2月5日 10時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
- いきなりリクエストすいまんせん(´Д`) (2017年2月5日 0時) (レス) id: 7fba721a26 (このIDを非表示/違反報告)
- 主人公のイメージ画像を書いてほしいです (2017年2月5日 0時) (レス) id: 7fba721a26 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:シュシュ | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年1月27日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。