【銀魂】晴れのち煙

面倒臭い ページ22

その人の許可を得て、タバコに火をつける。
一つ煙が宙を舞ったタイミングを見て、
銀時からため息が漏れた。




「・・お前さ、今日俺たちがここに
何しにきたかわかってんのか」

「タバコを吸いに来た」
「ちっげーだろうが！！」




いや、違くない。
私はタバコを吸いに来たのだ。
何せ建物の中だ。外に簡易的に建てられた
あの喫煙所と違って、暖房がきいてて暖かい

そこで煙をふかすなんて、何と素敵な時間なのだろうか。おまけにここはこたつまである。
申し分ない。




「お前が事件を解決したっつーことを理由に
こいつらの財布に入る予定の税金を搾取するのが目的だろーがふざけんな！！」

「ふざけてんのお前ェェエエ！」




何暴露しちゃってんの余計金なんざ出すか！と
彼の主張。銀時の目はすでに金にくらんでいる





「ーーおい女！テメェが拒否すりゃこの野郎の
理不尽な要求は不承認なんだよ！否定しろ否定
いらねーって言え！」


「いいや！いるって言え！！肉をたらふく食わせてやるぞ！パチンコで倍にしてから！」

「ほらみろォォ！テメェに渡す気なんざねーぞ
このちんちくりんは！だから断れ！」




紫煙の向こうで白く霞む2人の大人は、必死である。ーー私からすれば究極にどうでもいい。

よって、






「・・・・面倒臭い」





この一言に限るのだ。





「・・・・ほらな、いらねーってよ」


「いらねーじゃねェよ面倒臭いって言ったんだ
耳悪ィのかV字ニコチン」

「テメェこそ言葉のニュアンスってモンを
読み取ったらどうだ？女はニュアンスで生きてんだ馬鹿なのか甘党天パ」

「お前に女の何がわかんだよ！」




もはや止めることすら面倒だ。
ここまで仲が悪いとは計算外。

・・・いや、計算外なのは、この警官の彼が
意外にも子供っぽい面を持ち合わせているというところか。


「「結局どうなんだよ！？」」と最終的に
こちらに選択が委ねられる。・・ったくもう、






「・・知らん」



タバコの先が赤く染まるのを眺めながら、
一服を堪能する。万事屋ではこうはいかない。
できれば邪魔して欲しくないが、・・どうにも
そうはいかないようだ。
もう一つの紫煙が吐き出されて少し。






「ーーーったく、・・相変わらず無口な女だな
何考えてんのかさっぱりだ」




「・・・"相変わらず" だァ？」



眉をひそめ、オイAどういうことだよ、と
銀時。そういえば、ーーこの人と知り合いだと
いうことを、うちの家主は知らないんだっけ

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