【銀魂】晴れのち煙

メンタル ページ15

ー土方サイドー



真選組の車が到着したのは、数十分後。





「ーーーおやまあ、土方さん」

「・・・何だよ」


「あんたもとうとう犯罪者の仲間入りですか」
「来て早々何言ってんだテメェは！」




やってきたのは総悟である。ーーったく、
できれば違う奴に来て欲しかったのだが、
普段サボるくせに、こういう面倒臭い事例の時だけすっ飛んできやがるのはどんな強運か。

・・いや、俺の悪運の間違いか。



どちらにせよ、今は、あれだけ問題視されていた暴漢事件が、案外呆気なく終わりを迎えたのだ。後処理をしなけれは。






「だって土方さん、・・女連れじゃねーか。
襲うためにこの人気のない喫煙所へ連れてきた
ところ、タイミング悪く野郎どもと
かち合っちまったんじゃねーですか？」


「どんっな誤解だそれはァァア！どう見ても
被害者女性と警察の図だろーが！」

「被害者女性と加害者男性、・・そして加害を 邪魔して報復を受けた奴らの図です」

「なげーわ！デタラメ言ってんじゃねェ！」



なぜ夜にこんな言い合いを繰り広げなきゃ
ならねーというんだ。俺ァただ、夜間巡回に
くり出しただけだというのに。




(ーーしかも、この女たァ、)



横目で見てみれば、そいつはすでに被害者女性
というよりただのスモーカーだ。さっきから
止まることなく無言で灰皿を埋めている。

まあ屈強な野郎三人を、素手であっさり
のしちまうような奴だ。当たり前か。





「にしても、随分図太ェ女みてーですねィ。
襲われかけた後にタバコたァ、どんなメンタル
してんだか」


「・・いや、襲われたのはどっちかっつーと」


「は？」





さすがに総悟もその異常さには気付いたようで



一応、女に手柄を譲ってもらうという不名誉な
事態は避けるべきだろう。

新たなタバコに火をつけ一息入れた後
総悟にもことの次第を説明することにした。

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