【銀魂】常に10分前行動を心がけるべし

性分、癖 ページ33

「本当は、敵方の援軍がきた時点で計画は変更しなきゃならなかったんだけど、・・どうしても時間通りに終わりたかったんだろうね。確認することなく終わりの指示出しちゃって、」




その結果、後ろから襲ってきた敵に気づかず
バッサリいかれたのだから、かっこ悪いこと
この上ない。もちろん、粛清としては失敗。
指令塔を失い、敵の数が予想を上回っていたこともあり、一時撤退を余儀なくされた。



窮屈な包帯で覆われた体を横たえて、真っ白な
病室の中、「腕時計ばかり見るからだ」と
松平公にひどく怒られたことは今でも鮮明だ。






「・・・総悟の言う通りだよ。怯えてる」




"また、失敗するかもしれない"

今回はあの時ほど大きな規模ではないけれど
・・それでも、過去の失敗が脳裏をよぎる。



ぶるりと小さく身震いをしたところで、
これまで黙って聞いていた総悟が

ーーー・・大きくため息を吐き出した。






「んな壮大な馬鹿やらかしたってのに、まだ懲りずに時間マニアやってんだな、テメェ」

「・・・え？」

「だってそうだろィ」





トラウマになってるっつーなら、原因となった時間マニアを直すだろ普通、とかなんとか。

・・いやまあ、




「それは、もう性分だから治らないから
仕方ないんだよ。癖っていうか」




そりゃ周りからは、細かすぎる、面倒臭い、
逆にすごいわ、なんていうディスりにも似た
言葉をもらったこともあるけれど、これまでも
ずっとこうだったし。今更変える気はない。




「それに、決めた時間通りに行動すれば、
効率がいいのは事実でしょ？仕事にしても
生活にしても」


「・・・ハッ、」




小さく笑いをこぼした総悟は、背伸びを一つ





「ぶれねーな」

「まあね。・・それも取り柄だし」




だから、過去のことは過去のこと。
割り切れたと思ってた。ーーけど、やはり実際
討ち入りとが近づくとなると、掘り起こされる

同じ失敗は、繰り返せないのだ。


景気付けに、これから襲ってくるであろう
総悟の悪態を返り討ちにしてやろうと構えれば





「ーーー違ェねェ」




ぽつり。小さく返されたのはそれだった。
悪態、ではない。・・肯定だった、ような。





「・・なッ、総、」
「あと、今回ばかりは心配いらねーぜ」

「へ？」



ぽかんとする私をよそに
おもむろに立ち上がった総悟は







「ーーー・・何せ、俺がいるからねィ」



いつもの余裕げな笑みとともに、
その言葉を紡いだのだった。

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