"話したい" ページ32
いつの間にか声を荒げていた自分。
ーー目の前にいる最低野郎としていた会話は
ここ数日悩んでいた事柄に関することに間違い
ないのに。・・にも関わらず、ほんの少しの間
その重みから解放されていた。
(・・ほんと、何者だろ、こいつ)
敵わないんだ、多分。総悟には。
これまでだって勝ったことないんだから。
ーーーー腹を、くくるしかないかな。
見据える先には、やはり見慣れたポーカーフェイス。何を考えてるのかわからないのに、
なぜかいつも、私の不安をかき消してしまう。
ーー私の気を緩めてしまう。
おかげで、こいつに予定を狂わされたことは
数え切れないほどだ。
「誰にも話したことないし、話すつもりも
なかったんだ。・・多分、ここの人たちは
変に気を遣ってくれるだろうから」
だからだろうか。
ーーーこいつには"話したい"と、思えるのは。
「安心しろィ。俺がテメェに気ィ遣うように
なった時、人類が終わる」
「ウンだよね。腹立つけどそうだよね殺す」
こいつくらいだもの。私に反抗するの。
気遣いのなさについては太鼓判を押そう。
苦笑を一つ、口を開く
「私が以前、警察庁にいたってことくらいは
知ってると思う。・・そこで普段は事務仕事を
しながら、時々司令塔として戦地に駆り出されることもあってね」
警察庁が何をしているのかといえば、警察組織の統制はもちろんなのだが、手が回らない時には庁内から選ばれた者たちで粛清に向かうこと
がある。私が務めていたのはその司令塔だ。
「剣技にはそこそこ自信があったからさ、
戦闘片手に指示を出すことなんてザラだった。
もちろん失敗なんてなかった。何せ私の作る
計画は、練りに練った完璧なものだから」
「・・・あっそう」
「ーーけど、」
つい、口を噤んでしまう。
蘇るのは、"あの日"。私が司令塔を務めた、
幾度目かの粛清時。
「・・・終了間際、ーー私が、斬られた」
腕時計をみて、撤退を告げる手前だった。
ーーーその日の敵方には、
援軍が控えている可能性が高かったのだ。
「・・そのことは、知ってた。ーーなのに、時間ばかりに囚われて、・・あの時の私にとって
戦は単なる流れ作業と同じだったんだと思う。
予定通りに終わらせることに、専念しすぎた」
それこそ、書類整理や見廻りと同じような。
・・戦を、ーー戦場を、甘く見てた。
「"現場では計画通りにいかないのがセオリー"
あんたの言う通りだよ、総悟」
188人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シュシュ☆☆(プロフ) - 沖田 星蘭さん» ありがとうございます…!自己満足のような作品で申し訳ないですが…いっしょに楽しんでいただけると嬉しいです! (2017年1月4日 17時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
沖田 星蘭(プロフ) - 遅くなりましたがあけましておめでとうございます!!今年もシュシュ様の作品楽しみに1日を頑張りたいです笑 今回もめっちゃ面白そうだし、沖田オチなのでめっちゃ嬉しすぎてテンションマックスです!!笑 これからもずっと応援してます!!(`∇´)ノ (2017年1月4日 10時) (レス) id: 88b850887c (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ナナさん» あああありがとうございます!!ご期待に応えられるようにがんばります!私も沖田さん大好きなので妄想全開でがんばります!どうぞ気長に付き合いいただけると嬉しいです (2017年1月3日 20時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 手刀さん» 過去作品まで読んでくださり、本当にありがとうございます!嬉しいです!私の作品はいつも自己満足なんですが、皆様に楽しんでいただけると幸いです!がんばります! (2017年1月3日 20時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!私は15分前には準備しちゃうタイプなので夢主ちゃんと通じるところがあるかもしれません!あ、切腹はさせません!最後まで楽しんでいただければと思います! (2017年1月3日 20時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年1月2日 0時