【銀魂】常に10分前行動を心がけるべし

受けて立つ ページ14

屯所から一歩出れば、肌寒い気候。
思わず手をすり合わせながら、隣であくびを
かますこいつへ、先ほどの話の続きをぶつける




「大体ねェ、時間配分ってのは、人生において
大切なことであって、総悟みたいに時間気に
せず寝腐って、挙句サボった仕事を蓄積していくなんてありえな、・・ーーあ！お前まさか、
本当は隠れMか！」


「自らを時間でガチガチに縛ってるテメェに
言われたくねーや」

「ちっがう！私は人生の効率化を図ってるの」



人生とはすなわち、数十年の短い時間軸の中に
存在するわけで。効率よく、余りなく天寿を
全うすべきである。




「相変わらず融通のきかねー奴だな。
臨機応変って言葉知らねーのかィ」

「馬鹿にしてんじゃないよ。知ってるわ」




臨機応変とはつまり、想定外の事態に、
迅速かつ正確に対応すること。

ちなみに私はできないんじゃなくてしないだけだ。予定を狂わしたくないってだけだ。






ーーそんな言い訳をつらつらと並べていれば、
見えてきたのは定食屋。

何気なく隣の非番野郎についてきていたが、
どうやら今日の昼食はこの店でとるらしい。



今日はまた一段と底冷えするのだ。
防寒具としては、隊服の上から巻いたマフラー
一つだけ。もちろん寒い。

早いところ暖房の効いた場所へ行きたい。
ぶっちゃけ、食事は腹に詰め込められれば
何でもいい。どこでもいい。


白い息を一つ吐き出し、私たちはその定食屋へと足を進めた。









．









「ーーーおっちゃん、カツ丼一つ」


「そっちのあんたは」

「・・あー、同じやつで」


「はいよ」





どこか懐かしい店内は、昼時ということもあり
ちらほらと客が座るカウンター。
そこから少し奥に進んだところに設置された
テーブル席へと案内された。

注文に気だるげな返事が返ってきたところで、
目の前のそいつに視線を向ける。






「・・・あんた、ここよく来るの？」


「まあな。味は中の中。特に繁盛してるわけでもねーから客足もそこそこ。緩く静かに
過ごすにゃもってこいなんでィ」

「常連の言うセリフじゃないね」





いやまあ確かに、やる気なさげな店主が1人。
タバコ片手にテレビを眺めるおかみらしき女性
が1人。・・繁盛してるとは思えないけども。





「ーーそういや、土方の野郎がぼやいてたぞ」

「・・・あ？」



唐突に始まったそれに、私への不満暴露会の
予感。何だこの野郎受けて立ってやる。

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