【銀魂】常に10分前行動を心がけるべし

割り増しで ページ13

背伸びとあくびを同時にこなす私。
時刻は昼である。12時ぴったりに仕事を
終わらせることができた。これぞ達成感。






「ーーーここから、昼食が12時半から1時。
そこから総悟捜索に1時半まで費やすつもり
だったから、」



予定を調節するためには、昼食に1時間を
使う必要がある。・・1時間、か。


どうしようかと思考を巡らせた時、たどり着いたのは朝のやり取りで。







「ーーー・・まあ、行ってやってもいいか」




奢るなんてことは阻止しなければならないと
思うのだけれど、私のスケジュールを円滑に
進めるためだ。そのために奴を利用しない手は
ないではないか。


意を決して立ち上がり、向かった先は総悟の
部屋。おそらく昼寝でもしてるであろうその姿
を思い浮かべながら、私は自室を後にした。








ーーーー
ーー


「・・案の定、ってやつだねこいつは」



静かに寝息を立てるそいつは、いつも通り
憎たらしいアイマスクを乗せて、畳の上に
寝転んでいた。


ーーというか、あれ、ちょっと待って。




あたりに視線をめぐらしてみる。・・が、
目覚まし時計が、見当たらないのだ。





「ちょっと総悟！お前何恐ろしいことしてんだ！馬鹿か馬鹿なのかァァア！？」

「ぐふっ」




何こいつ絶対馬鹿だ。
ここまでくれば一周回って呆れてしまう。

早急に叩き起こそうとすれば、・・割と強く
行きすぎたのか、総悟の頭は鈍い音を
たてて畳の上に打ち付けられた。





「テメェ、・・何しやがる」
「それはこっちのセリフだよ！」



どうやらご立腹らしいそいつは、アイマスクを
ずり上げて睨みを利かせた。

が、もっと重大な問題がそこに転がっている。






「お前、・・何で目覚まし時計セットせずに
寝てんの！！正気！？馬鹿だろ！」

「今日は割り増しで情緒がおかしいな」

「それに関しては安定しまくってるわ！
完全なる水平線だわ！」




で、目覚ましが何だって、と促す言葉をもらい
私はさらに眉をひそめる。





「目を覚ますきっかけがないってことは、
予定が立たないってことじゃん！何それ怖ッ！
その日1日を成り行きで過ごすってそれもう
Tシャツ短パン虫取り網でラスボスに挑むようなもんじゃん！」

「ったく、人の安眠を妨害しといて一人で
何はしゃいでんでィ」

「はしゃいでない！」




てか、初めに話の続きを促してきたのは
総悟である。

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