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国語科準備室 ページ32

ー土方サイドー



Aが部活に来なくなって一週間といった
ところだろうか。

ーーー俺は、国語科準備室の表札をかけたその扉を見つめていた。








「ーーあれ、何してんだお前」

「ッ、い、いきなり現れんじゃねーよ!」





そんな時、後ろから聞こえてきた間延びした声

振り向けば見えたその間抜けヅラは、
両手いっぱいに菓子パンを抱えていた。





「いきなりも何も、そこ俺の部屋だから」
「いやお前の部屋ではねーだろ」





少しずれたメガネをくいと押し上げたそいつに
「まあ入れや」と促されて。

一体何度きたことがあるか。対して訪ねていないことは確かだが、ーーまあとにかく、俺は
国語科準備室に足を踏み入れたのだった。






「ーーー珍しいじゃねーか、お前がここに
来るなんざ。・・で?何の用だ?」




本やらジャンプやらが多く積み重なった部屋の中は、完全にそいつの私物置きと化していた






「・・ちと、聞きてェことがあってな」



見渡したその部屋に、教師らしからぬ物品を
発見しつつ、言葉を紡ぐ。







「Aのことか?」

「・・・俺じゃねーぞ。部員がだな」
「ハイハイワカッタワカッタ」

「わかってねーだろ」






完全に面白いものを見つけたようなツラ。
にやけたそれをこちらに向けられたことには
不快感を覚えるが、・・今はこんなところで
止まってる場合じゃねェ、と本題に戻る。









「単刀直入に聞く。
あの女は、・・ーーワケありか」





過去に何かあった、もしくは今現在も。
最後に見たツラはそんな感じだった。


再びフラッシュバックするその表情を頭の隅に
追いやり、銀八に視線を向ける。・・と、
そいつは静かに近くにあった椅子に腰かけて。






「奴が、銀魂高校で剣道やってた俺の教え子
だってのァ、わかってるよな?」

「ああ」



「あいつ、今でこそあんな感じだが
全国常連だったんだぜ」


「・・・まじか」




あれだけのらりくらりと生きているあいつが、
全国に通用する実力者だとは、心底信じがたい
事実である。






「今と変わらねェ余裕ヅラで軽々勝っちまう。
・・ま、陰で努力してやがったんだろうよ」





必死な姿を人に晒したくねーってか。






(・・案外、不器用ってこったな)




器用に生きてるように見えて、
実は一番回りくどい生き方をしている。

面倒ごとが嫌いとは、あいつが言えた義理じゃ
ねーだろう。



数多の思いを抱えながら、俺は耳を傾ける。

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設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 3z   
作品ジャンル:アニメ
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シュシュ☆☆(プロフ) - あいみさん» 遅くなりました!ありがとうございます!楽しんでいただけていれば光栄です! (2016年12月20日 7時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
あいみ - 完結お疲れ様です (2016年12月2日 6時) (レス) id: 65b8b3fd58 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!!!土方さん、安定のカッコよさ!!続編も楽しみにしてます!!応援してますぜ!!! (2016年11月21日 23時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - そして、剣道経験者の方もかなりいらっしゃるようで…もし「こんなこと剣道部ではしない」「こんなのありえない」等々ございましたら、ご指摘いただけると幸いでございます!宜しくお願い致します! (2016年11月19日 18時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 皆様、多くのコメント本当にありがとうございます!最近多忙でして、このようにまとめての返信になってしまい申し訳ございません!コメントには全て目を通させていただいております!ありがとうございます! (2016年11月19日 18時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年11月7日 20時

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