【銀魂3z】眼福！

四字熟語 ページ16

ー土方サイドー




休日部活がある日に、もっとも早く部室に
現れるのは大抵俺である。

総悟は論外として、近藤さんは昨日志村姉に
やられた傷が癒えてないだろうし。おそらく
今日は遅れてくると見た。



以前までは少しの期待をもって扉を開いたもの
だが、・・今になれば、抱くこと自体無意味だと諦めている。


今日も今日とて特に驚くハプニングや展開は
ないようで、部室の鍵は案の定閉まったままだった。







「・・ま、そうだろうな」




開始40分前。

俺は特に落胆を持つこともなく
いつも通り、機械的にその鍵を開けた。








ーーーー
ーー

気温が下がる朝は冷える。
その中で着替えを始めて少し。

ーーー詳しく言えば、部活開始30分前。





・・・ガチャリ。音を立てて扉が開いた。








「おう、今日は随分早ェな。普段からそれくらいの気合を入れてくれりゃ・・・って、」





まさか総悟か、いやそれはねーな。
なら山崎か。・・それならありえそうだな

いろんな予想を巡らしながら、視線を向けた先









「ーーお、ナイスタイミング。素晴らしき」
「・・・お前何してんのォォォオオオオ！？」





予想だにしなかった人物。・・というかしたくもねェそいつ。

駒場Aが、ふらりと手をあげていた。






「何って、・・・眼福追求？」
「そんな四字熟語はねェ」





なぜ俺は、朝から半裸の状態でこの女と
対面しなきゃならねーのか。何の罰なのか
何の地獄なのか。





「ここ男子更衣室だぞ！？」


「わかってる。いくら土方クンが年頃だから
って女子更衣室で着替えてるとは思わんよ」

「そういうこと言ってんじゃねーよ！わかってて我が物顔で入ってくんなっつってんだ！」





ジロリジロリと。数秒俺を見回したそいつ。







「やっぱいい筋肉してるよね。ドンピシャ。
触っていい？」

「お前そろそろ警察に突き出すぞ」





急いで服を身にまとい、その女を扉の外へと
押し返す。並ならぬ力で抵抗してきたがそこは
なんとか強行突破できた。








「いいか。２度と入ってくんなよ」

「ケチ！一枚くらい写真撮らせてくれても
いいじゃんよ！」

「何でこんな時だけ声でけェんだよテメェは」







まだ垂れ流されている文句は無視するとして、
男子更衣室の扉は、俺の手によって、
間も無く音を立てて閉められた

強硬手段→←絶好の場

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す