【銀魂3z】眼福！

素振り ページ11

約数十分にわたるそれが終わり、
部員たちは一気に崩れ落ちる。

「長すぎ」「死ぬ」「素振りって何か意味あんの？」・・等々。呟かれる文句は星の数だ。







「ーーー単刀直入にいえば、・・君達はまだ
体がなってないわけだ」



ビシリ。指をさした先には、
床にへたり込み、肩で息をする男子たち。







「か、体づくりなら筋トレしてますけど、」


と、申してきたのはとある部員Aである。
口を開いたのはその一人だけだったが、他にも
同意見と思われる顔をした者が数人。






「これくらいの素振りでへばるのに、
体作れてるわけないじゃん。筋肉不合格」

「いや筋肉関係なくね！？」
「ある！大いにある！」




いい筋肉とはすなわち、いい体なのだ。
つまり、ーー体力、体幹などを兼ね備えたそれ









「・・っと、まあ、全員が全員体づくりが
なってないわけでもないか」




よく見れば、未だ平然と立っている人も
ちらほら。・・もちろんのこと、主将副主将は
その立ち姿をさらしていて。






「と、総悟クンか。・・残ったのこんだけ？」




つまるところ、生き延びたのはこの三人だ。
何とも不甲斐ない結果である。
そして先が思いやられる。

ーーまあそれはともかく、改めて残った三人を
観察してみれば、・・うむ。やはり納得だ。







「ほらね、やっぱいい筋肉してるよ」




ちゃんとやってる人はバランスのいい美しい
筋肉を持っているのだ。素晴らしい。

それにくらべて何だ今床に伏せてる
ひょろ長いゴボウどもは。





「・・あんたら素振りちゃんとやってた？
素振りってのは基礎体力や体幹作るためにも
役立つんだからね。しっかりやってよ」





やれやれ、と首を振る私。四方八方から
むっとした視線を感じるが無視だ無視。

若き勘違い男子たちに現実を教えてやったのだ
私は正しい。







「ーーーというわけで、毎日する素振り回数
増やしてね」




やはりあちこちから不満の声が上がるのを
聞きながら、また土方クンの抗議が炸裂するかもと警戒をしていたが、





「・・一度水分摂れテメェら」





その一言とともに、私に背を向ける









(ーーーありゃま、おとなしいじゃん)





その時は何も言わずに、
水分補給へと繰り出して行ったのだった。

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