【銀魂】ポリス×ポリス

初めて見る ページ48

「・・な、何しに来たんでしょうか」





私の頬を引きつらせているのは、苦笑い。
それとともに、ーードクン、と高鳴る心臓



忌まわしく黒光る隊服のポケットに
手を突っ込んだままの沖田が、病室の入り口に
もたれかかっている。





「何って、・・見りゃわかんだろィ」

「嫌がらせかこの野郎帰れ」
「早まるな」





早まるなって、そいつのツッコミちょっと
間違えてる気がするけどまあそんなことは
この際どうでもいい。






「嫌がらせ以外に何しにきたの闇討ち？」
「意味わかんねーよ」




つまるところ、私は今緊張と焦り、

・・・そしてわけもわからず暴れる心臓を
持て余しているのだ







「優しい俺が、サボりついでに
見舞ってやったんだろーが」

「つまりサボりだね」





まさかこいつが見舞いに、ーーと、変な期待が
無意識に胸をよぎっていたことは認めよう


ーーでも別にね、何も、その他の感情や考えは
ないわけだ。決して！うん。







(・・・・嬉しい、とか)



そんなのもないない。病人特有の寂しさなんて
もんが成立させた感情である。









『ーーーおいA。テメェもうちと
下がりやがれ邪魔でィ』


『ーーーテメェらが何してるか。んなこと
俺たちだってわかってんでィ』





そして、・・ーーーあの時意識を失う前に見た
沖田の焦りの表情。

誤魔化しつつも、そんな言葉たちと光景が
私の脳裏に浮かんでくる。・・あぁもう！









「ーーあの時は、その、・・世話になったね」

「何でィその口調」


「ッ、うるさい・・」




ニヤリ、ーー子供のように悪戯めいたその笑みが、またしても初めて見る表情で。

顔が熱くなるのは、もちろん本意ではない。








(・・・あれだ、絶対)


助けてもらったなんていうヒーロー的展開で
ちょっとやられてるだけだって私！

ほらもう免疫ないんだから！仕方ないな自分！




無遠慮に、ベッドのそばの丸椅子に腰掛けた
そいつに視線を向けられないでいると。






「まあ別に気にしねーでくだせェ。あん時は
こっちもタイミングよかったってだけなんで」



「そう、だよね！うん！」






つーわけでサボらせてくれ、と
悪びれない沖田と、


少し感じた落胆への戸惑いを抱えながら
ーーーいつも通り、悪態を交わしたのだった。

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