【銀魂】ポリス×ポリス

認めざるを得ない ページ47

「ーー、ん」


小さく発せられた自分の声を聞きつけて、
私の意識が覚醒する。

うっすらと開いていく視界。・・そこで目に
入ったのは、一面の白だった。




漂う薬品の匂いと、体にまとわりつく倦怠感
ところどころに感じる鈍い痛みによって、
私は今の状況を半分は理解できた。






(ーーここ、・・病院、か)




そういや、バカな考え方で無茶して怪我して
死にかけて、・・結局沖田やら誰やらに
迷惑をかけて。

ーーーそんでもって、ぶっ倒れたんだった。







「あっ、姐さん！」

「・・あれ」




体に巻かれた包帯を見つめていた私は、
聞き覚えのある声に、安定の不本意極まりない
ニックネームを呼ばれた。






「よ、よかったです。目が覚めて・・」

「何してんのさアンタ。仕事は」
「ーーー姐さんが怪我したんですよ！？」




どちらかといえばちゃらんぽらんなその部下が
少しの真剣味を滲ませていたのだから
よほど心配をかけてしまったようだ。






「こんな、・・こんな一大事に！
仕事なんてしたくありません！」

「煩悩が隠し通せてないんだよ愚か者！」






前言撤回。私の心配なんて頭の3割ほどらしい

仕事したくないってなんだ。
シリアス風の口調で堂々と仕事放棄を明言して
どうするんだ。間違いなく愚か者である。






「それに、・・その手のコーラは何」

「これは姐さんにですね、」
「フタ空いてるよね。完全に飲んでるよね」





まったく、こりゃまた一から教育が必要か。







「まあいいや。・・悪かったね。世話かけて」

「別にいいですけど、本当に大丈夫なんですか
怪我のせいで貧血起こしたって」

「んなの栄養剤うてば治るから」

「さすがです姐さん！男らしい！」
「オイ」





そっか。私があの時になって倒れたのは
貧血だったのか。








(ーーーかさねがさね、あいつに迷惑かけた)





それについては、やはりむかつくし悔しいこと
に変わりはないが









．









『ーーーいつものツラのほうがいくらか
マシってこったィ』





無意識のうちに、頭に手を置いて。







(ーーー・・バカみたいに、安心した)






意外と大きな手に。・・・そこから紡がれる
あの圧倒的な強さに。聞き慣れた憎まれ口を
叩く、無感情な声色に。

それと同時に、ーーー敵わない、と。
ようやく認めざるを得なくなった。



そんな思いに浸りつつ部下の足音を見送った私









．









「ーーーお、やっと起きたかバカ女」

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