理解不能なこの行動ー銀時サイドー ページ10
ーーースナックお登勢
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「んで?あの依頼、どうだったんだい?」
「あー…よかったぜ。
報酬もがっぽりだ。
もう俺護衛に転職しよーかなァ」
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「何言ってんだい。
・・・報酬が入ったんなら、さっさと
家賃払ってくれないかね」
「まあ待っとけよ。パチンコで10倍に
してくっから」
「殺すよ腐れ天パ」
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コップの中で、氷がカラン、と音を立てた
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「・・・ま、余計なもん拾っちまったがな」
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・・・"余計なもん"といえば、語弊があるか。
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なら、なんという?
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そもそも、なぜあの女を拾っちまったのか
俺は自分の行動が理解できなかった
奴の言うように、
そのまま警察に届け出てもよかった。
霧澤Aには、確かに懸賞金が
かけられていたのだ。
・・・最悪、殺してもよかったんだ。
奴は、しにたがっていたのだから。
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でも、そのどの選択肢も、俺はあの時
瞬時に振り払った
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一目惚れとか、そんなロマンチックな
もんがあったってわけでもねェ
・・・第一俺の好みは結野アナみたいに
笑顔の可愛い女性だし?
Aは美人だけど無愛想だし?
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・・・いや
そんなちっぽけでくだらねェ理由じゃねェ
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「なんか・・・あいつは放って
おけなかったんだよな」
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迷いのない太刀に比べ、
Aの瞳から流れていたのは、
間違いなく涙であって・・・
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それがどうしようもなく、俺を駆り立てた
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「涙にやられたのか俺ァ…」
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ったく…女の涙は末恐ろしい
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「ーーー時、銀時!!」
「いっでえ!?」
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投げられた食器が見事に当たった額を
さする俺をみて、
ばあさんは一つ、小さく息をついた
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「あんた…あの仕事でなんかあったかい?」
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・・・ばあさんは、ときに鋭いことがある
チッ…さっさとボケろコノヤロー
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「・・・なんもねェよ」
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そう一言残し、俺は店ののれんを
くぐりでた。
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night - 言い表せないほど格好良かったです。ここまでの物を考えられるシュシュさんはきっと素晴らしい方なんだと思いました。最高です。素晴らしい物語を、ありがとうございました。(口下手ですみません) (2017年8月18日 22時) (レス) id: c9c76cd361 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 華桜さん» 本当ですか!?嬉しいです!最後まで読んでくださって、光栄です!ありがとうございました! (2016年7月24日 9時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
華桜 - 涙で前が見えないっ…!ラストで一人号泣してました。とても素晴らしいお話です! (2016年7月24日 0時) (レス) id: cc8f06af1c (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - 月夜の銀の魂さん» コメントありがとうございます!読んでくださってすごく嬉しいです!楽しんでいただけていれば光栄です! (2016年6月18日 10時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の銀の魂 - とても面白かったです 最後は心臓バクバクでした。 絵もとても上手てうらやましいです (2016年6月18日 9時) (レス) id: 468a375fbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作成日時:2014年9月20日 20時