わからない ページ6
あれから数秒後
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私の今の場所から、約1メートルほど離れた
ところにふっとばされた刀が見えた
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「おさめろって言ってんだよ
俺ァ女斬るのだけはごめんだ」
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「…だから…女なんかじゃないって…
暗殺者気遣ってどうすんの?」
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首元に突きつけられたその男の刀に
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なぜか、妙に安心した
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「この首が、地におちるまで
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決して刀をおさめることはできないわ」
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「・・・つまりお前、死にたいんだ?」
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トクン、と大きく波打った胸
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その鋭い、図星な言葉に。
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「もう、手遅れよ」
「またそんなこと言うんだな
わかんねーやつ」
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これまで蓄積したあまたの罪は
大きな重りとなって私を押しつぶす
.
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「わからなくて、いいわよ」
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光の中で生きてきた者に
わかりっこないことだから。
.
.
「あなたこそ、どういうつもり?」
.
首元に突きつけられたその刀は
ただ添えられているだけ、って感じで。
それどころか、戦意すら感じない男の
脱力した目
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「殺すなら、そうすれば?
・・・暗殺者の最後なんて、所詮
あっけないものなのよ」
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「・・そんなに死にたいかよ」
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静かに、目を閉じた。
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ーーーーやっと
.
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「…かっ…は…」
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腹部に走った鋭い衝撃
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「死んでも…テメェの罪は消えねーよ…
だから、生きてあがけ。
テメェにはなァ…殺した奴らの分まで
苦しんで生きるっつー死ぬよりもつらーい
罰が待ってんだよ。
・・・よかったな?」
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裁かれたかったんだろ?
そんな言葉が聞こえた後
腹部に走った衝撃の正体がわかった
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「木……刀?」
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真剣だと思っていたものは
ただの木刀
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「そんなに死にてーんなら…
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・・・いつか、俺が介錯してやらァ」
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そこで、意識を手放した
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night - 言い表せないほど格好良かったです。ここまでの物を考えられるシュシュさんはきっと素晴らしい方なんだと思いました。最高です。素晴らしい物語を、ありがとうございました。(口下手ですみません) (2017年8月18日 22時) (レス) id: c9c76cd361 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 華桜さん» 本当ですか!?嬉しいです!最後まで読んでくださって、光栄です!ありがとうございました! (2016年7月24日 9時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
華桜 - 涙で前が見えないっ…!ラストで一人号泣してました。とても素晴らしいお話です! (2016年7月24日 0時) (レス) id: cc8f06af1c (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - 月夜の銀の魂さん» コメントありがとうございます!読んでくださってすごく嬉しいです!楽しんでいただけていれば光栄です! (2016年6月18日 10時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の銀の魂 - とても面白かったです 最後は心臓バクバクでした。 絵もとても上手てうらやましいです (2016年6月18日 9時) (レス) id: 468a375fbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作成日時:2014年9月20日 20時