その運命やいかにー銀時サイドー ページ43
ただ、突っ立て、何かを考えていた
.
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"霧澤家之墓"
そう書かれたその墓石を
たった一人で見つめながら。
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ふきつける冷たい風は
・・・・・・肌寒い季節を運んでくる
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「なーにが"霧澤家"だ
・・・あいつ一人だってのによ」
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いつの日にか、奴に尋ねたことがあった
・・・両親の墓はどこか、と。
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・・・ま、お察しのとおり
「作ってない」って返ってきたけど。
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死体すら、どこにいったかわかんねェらしい。
・・・暗殺者ってのァそういうもんなんだ、と
眉一つ動かさず、淡々と語ってた
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「"霧澤"A・・・
その首は、地に落ちた
・・・テメェの刀は、これでおさまったか?」
その運命を、終えられたか?
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・・・まあ返事なんざ、返ってくるわきゃねーがな。
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「ちょっと」
後ろから聞こえた不機嫌な声に振り返る
.
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「・・・誰と話してんのよ、あんた」
「・・・おーやっときたか。おせェぞ
墓参りなんだから、水いるだろーが」
「・・・だからって普通、女に
水溜めたバケツ運ばせる?」
「ま、こまけーことはいいだろうが。
・・・それより、テメェも手ェあわせとけよ
.
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・・・明澤A」
.
ため息を吐き出し、呆れ顔で
バケツを下に降ろすそいつ
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「・・・なんでフルネーム?」
「そりゃお前、霧澤Aと混じるだろうが」
意味わかんない、そういって
再びため息を吐くそいつ・・・Aは
.
つい先日、正式に明澤Aとなった。
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「・・・骨も入ってないのに手ェあわせるの?」
「お前なァ・・・罰当たりだぞ」
.
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しぶしぶと手を合わせるAを横目で見て
俺も手を合わせた
.
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「・・・お前、あの時の返事は嘘じゃねェよな?」
「嘘いって・・・どうすんのよ」
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相変わらず、可愛げというのは皆無であるが
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真っ赤になりながら、
・・・不器用に微笑むそいつの手を、強く握った
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night - 言い表せないほど格好良かったです。ここまでの物を考えられるシュシュさんはきっと素晴らしい方なんだと思いました。最高です。素晴らしい物語を、ありがとうございました。(口下手ですみません) (2017年8月18日 22時) (レス) id: c9c76cd361 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 華桜さん» 本当ですか!?嬉しいです!最後まで読んでくださって、光栄です!ありがとうございました! (2016年7月24日 9時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
華桜 - 涙で前が見えないっ…!ラストで一人号泣してました。とても素晴らしいお話です! (2016年7月24日 0時) (レス) id: cc8f06af1c (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - 月夜の銀の魂さん» コメントありがとうございます!読んでくださってすごく嬉しいです!楽しんでいただけていれば光栄です! (2016年6月18日 10時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の銀の魂 - とても面白かったです 最後は心臓バクバクでした。 絵もとても上手てうらやましいです (2016年6月18日 9時) (レス) id: 468a375fbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作成日時:2014年9月20日 20時