【銀魂】生き様。

覚悟の末に ページ38

「時間だ」




．





重い南京錠がはずされ、

牢屋の扉が開く





．






．






「・・・お前、怖くねーのかよ」



「ええ」





．





喚きもせず、静かに動く私の返答に

複雑な表情を見せる土方さんは
いくぞ、と一言だけ声をかけた





．





．







数日前、

・・・まあ、誰もが予想していたとおりの

私の処分内容が知らされた





．






"死 罪"






．





目の前に突きつけられた紙には
そう書かれているのが見えて。






．






．







わかっていたのに、
・・・わずかばかりの抵抗心が出たのは




やっぱりあの人のせいかな。






・・・あれ以来、姿見せないけれど。






．





・・・いや、姿をみない分
この数日で覚悟が固まった






．







．






そして今日は、私が

・・・"望んでいた"結末





．






．






桜の散る着物、腰には

久々に下げた刀






．






そのかわり、この刀で暴れないよう

後ろ手にがっちりと巻かれた太めの縄





．





．






縄はともかく、


・・・・以前の私そのものだ。






．






．






「お前、本当にそれ着てくのか」


「そうよ」





．






「・・・なぜだ？
死ぬときゃ白装束ってのが定番だぜ」



「はやりに乗っかる気はないわよ」






．






・・・いや、そんな簡単で小さな理由じゃなくて






．






「死ぬのは・・・

"霧澤A"だから」







．






明澤Aは


・・・罪人じゃなくて。






．






明るい世界に産み落とされた

ただの、一人の少女





．






．






「変な奴だなテメェは・・・



さすが、あの天パ野郎と
絡めるだけあらァ・・・」





．






最後に煙を吐き出し






．






．






「・・・覚悟はいいな？」



「もう、とうの昔にできてるわ」





．






．






唯一の心残りは、



もう2度と







ーーー・・・あの言葉への返事が返せないこと

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