その重み ページ33
「明澤さん・・・いや
霧澤Aさん、あんたを逮捕しやす」
「・・・そう」
.
初めて見た、沖田さんの真剣な表情
.
かしゃり、と音を立てて
私の手に重く、冷たい手錠がかけられた
.
「抵抗しねーのかよ」
土方さん…の、鋭い眼差しは
私が暴れることを疑っているのだろうか
.
「・・・抵抗なんて、する資格があると思うの
自分の罪も、運命も、全部理解してる」
.
手錠の重みが、軽く感じるくらいの
・・・途方もない罪の数
.
.
「・・・てめーら下がれ。
戦意がねェ奴に無駄な武装は必要ねェ」
.
退いた隊士達の片手には
いまだ刀が握られて・・・
.
.
「私って・・・危険な存在なのね」
「残念ながら、ねィ」
.
手錠のかかった手には
白い布がかぶせられた
.
.
「霧澤A
・・・幕府重鎮殺害、そして
あまたの者を斬り捨ててきたその罪により
殺人罪で逮捕する」
.
私の罪状は、たった3文字で提示された
.
.
「・・・はい」
.
ふわりと頭をよぎったのは、
あの人の顔・・・だけれど。
.
「・・・残念」
.
結局、私の気持ちすら
知ってもらうことができなかった
.
・・・そんな権利、元からないのかも
しれないけれど。
.
.
「Aちゃん!?こりゃ一体・・・」
「親父さん、元気で」
.
外の騒ぎに気づき顔を出した親父さんを
結局私は、騙していたことになる
.
.
「ありがとうございました」
.
親父さんはその後すぐに
真選組に囲まれて、姿が見えなくなった
・・・事情聴取で済みますように。
.
.
白い布の上に落ちた透明の何か
.
それと同時に、雨がポツリと降り出した
滴り落ちる雫にその透明な何かは
紛れて・・・消えた
.
.
.
ーーー・・・ごめんなさい
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night - 言い表せないほど格好良かったです。ここまでの物を考えられるシュシュさんはきっと素晴らしい方なんだと思いました。最高です。素晴らしい物語を、ありがとうございました。(口下手ですみません) (2017年8月18日 22時) (レス) id: c9c76cd361 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 華桜さん» 本当ですか!?嬉しいです!最後まで読んでくださって、光栄です!ありがとうございました! (2016年7月24日 9時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
華桜 - 涙で前が見えないっ…!ラストで一人号泣してました。とても素晴らしいお話です! (2016年7月24日 0時) (レス) id: cc8f06af1c (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - 月夜の銀の魂さん» コメントありがとうございます!読んでくださってすごく嬉しいです!楽しんでいただけていれば光栄です! (2016年6月18日 10時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の銀の魂 - とても面白かったです 最後は心臓バクバクでした。 絵もとても上手てうらやましいです (2016年6月18日 9時) (レス) id: 468a375fbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作成日時:2014年9月20日 20時