【銀魂】生き様。

ひと時の夢か ページ15

「よー」


「・・・またきたの？」





．





あの晩の出来事がおわったあとも、





．





次の日も、その次の日も

男は絶えずやってくる






．





．





「つかお前・・・まだ団子の作り方
教えてもらってねぇわけ？

接客ばっかしやがって」





．





・・・わかってるくせに。






「私が作っても、美味しくならないわよ
接客だけで十分よ」





．






．







．






「なあ、今日



・・・俺んちこねーか？」

「ナンパ？」



「ちげェよ。クソアマ」





．






うちんとこのもんも紹介したいし、とのこと。






．





．





「・・・いやよ」


「なんで？」






「あんまし、知り合い作りたくないの」





．






もしこの手が、また刀を握ることがあるなら



・・・その時の別れが苦しくなるだけならば
作らない方が利口ではないか。





．






．






「大丈夫だよ。

うるせェけど、楽しい奴らだぞ」






．





そう話す男の顔は
確かに、これまでにないくらい楽しそうで…






．






．






「・・・普通の生活にゃ
人との交流ってのも大事なもんだ」






．





・・・この男は、頭は空っぽそうでも
口がうまい







．








．








「・・・長居はしないから」


「おう」





．






・・・いつも、乗せられてしまう






．








．






親父さんは、あっさりと
承諾してくれたようで、



今、私のとなりには、あの男


"万事屋"を経営しているらしいその家に
向かっている






．





．






「あんたって・・・貧乏なの？」


「はあ？何言っちゃってんの」





「団子のツケ、たまりすぎてたわ」





「あー、ありゃあってねェような
ツケだし？」


「・・・あんたもなかなかの悪人ね」






．






そうだろ？とか、自慢することじゃ
ないと思うんだけど。





．





．






「それよかお前…その"あんた"ってやめろ
何回言やァ気がすむんだよ」



「・・・別にいいでしょ」





．






よくねーよ、そうつけたした男は
足を止める





．





「名前が呼べねェなら、銀さんとでも
銀ちゃんとでも呼べよ。」

「・・・じゃあ、腐れ天パで」



「・・・殺すぞクソアマ」





．





．






「・・・銀さん」



「それでいい」





．






．







この瞬間

久々に感じた、楽しいという感情を






．






ーーー・・・ひと時の夢じゃないと願おう

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