あったようななかったような ページ43
万事屋さんとの出会いから数日。
私は真面目に公務にあたっていた。
「・・何ですかこれは」
「近藤さんからの差し入れだ」
相変わらず人体に有毒な副流煙を撒き散らす
土方さんが、資料庫にやってきた。
無機質に言い放つその人の手には、
袋が握られていた。
「ったく、あの人ァちとテメェに甘すぎて
いけねェ」
「土方さん妬いてるんですか?」
「アホか」
雑作に投げられたそれをのぞいてみれば
団子が数本入ったパックが見えた。
「・・なるほど。貰います」
「仕事サボるなよ」
淡々と告げて、踵を返す。
ーーそれを見て、私はとっさに口を開いていた
「・・・あ、ちょ、ちょっと待って」
「あ?なんだよ。また漢字がわかんねーか」
仕事なんだが、と小さく付け足したその人。
あれ、私何してんだ?何で引き止めたんだっけ
「えーっと、ですね」
「んだよ。便所の場所なら教えたろ」
「デリカシーないですねホント」
そんなんじゃない。そういう事務的な連絡を
したいんじゃなくて。
ーーあれ、本当、どうしたいんだっけ。
「・・一人でこんなに食べられないって
いいますか」
「は?」
「団子です団子!」
みたところ、差し入れてくれたのは5本くらい
うん。実際私には多すぎるし間違っちゃいない
「・・・知らねーよ。近藤さんに言え」
「仕方ないですね。食べますか?」
「いや俺何も言ってねーんだけど」
「でもどうせ団子の気分なんでしょう。
私にこの袋渡す前から食べたくて食べたくて
仕方ないんでしょう。ならあげますって」
「・・・・・毒は入ってねーぞ多分」
「毒味をさせたいわけじゃないです」
あーもう。何というか!!
・・・もう一度問う。私は一体何がしたい。
この人を引き止めて何がしたい。
ーーーこれじゃまるで、・・もう少し一緒に
いたいって言ってるみたいじゃないか。
「テメェが人に自分のモンやるなんざ気色悪ィ
にもほどがある。何企んでやがる」
「いや、・・あ、ほら!以前のお酒のお礼
ですって!」
「お礼どころか、逆に慰謝料もぎ取ろうと
してきたやつが?」
「え!?誰ですかそいつ」
「テメェだよ馬鹿野郎」
そんなこともあったようななかったような
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シュシュ☆☆(プロフ) - ゆゆのんさん» ありがとうございます!がんばります! (2016年8月15日 7時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - かのんさん» ありがとうございます!今日中にUPできればと思います! (2016年8月15日 7時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆのん - 続編、頑張ってください!(ノ・ω・)ノオオオォォォ-! (2016年8月14日 15時) (レス) id: f6bd8ab27a (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 続編、おめでとうございますウウウウウ!! これからも頑張って下さい! (2016年8月14日 13時) (レス) id: 69804cea58 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 真結さん» ありがとうございます!最後まで突っ走りたいと思います! (2016年8月14日 10時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年7月31日 16時