【銀魂】金と愛嬌

本音が ページ38

「はーあぁ・・なんかやる気でないです。
今日は休んでいいですか」

「ふざけんな！人に奢らせといて勝手なこと
言ってんじゃねェよ！」





だってだって、何この財布。
完全なる期待外れじゃん。泣きそうだよ全く

全身の熱が一瞬にして抜けてった。真っ白だ私




ーーーと、その時。「あれ？」と。
私たちの背後から気の抜けた声が聞こえてきた









．









「ーーー税金泥棒じゃん。おー、ちょうど
いいとこにいた。たまにゃ市民の役に立て」

「ああ！？」




そして、これでもかというくらいに
歪められた土方さんの顔と、それに動じず
フレンドリーに話しかけてくる一人の男性を
交互に見渡す。


ふと、その男性と目があった。








「ーーーお、何？この姉ちゃんお前の
【自主規制】か？相変わらずくそみてーな
ことに税金使ってんなオイ」

「誰がだコルァ！？こいつはうちの従業員だ！
変な勘違いしてんじゃねーよ！」





だるい喋り方はかわらず、綺麗な銀髪を揺らす
その人は、発言から察するに、
どうやらまともな大人ではないらしい







「何の用だ。こちとら仕事だ。
さっさとしやがれ」

「いやよ、ここらで財布失くしちまってよ」
「財布？」




思わず土方さんと顔を見合わせる。
財布。ここらで落とした財布。・・つまり。








「・・・これか」

「おーそれだそれ！！」





彼の胸元にしまわれていたそれだ。
つまり私が拾ったさっきのそれ。







「早速持ち主見つかりましたね」

「・・・こいつの財布なら川に
投げ捨ててもよかったな」





中身を確かめて納得したらしい銀髪さんは、
心底安心した顔をみせる。







「いやー助かったぜ。全財産入れてるからよ
これ見つからなかったら神楽と新八に
ひねり殺されるところだった」

「え、そのシケた財布が全財産！？」

「何だその哀れむような目」





あ、しまった。つい本音が。

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