被害者 ページ29
今現在、昼も近いこの時間に
私は土方さんの部屋を訪ねていた。
「昨晩はお世話になりました」
「・・・仕事中だ。何の用だ」
「私の労いは無視ですか」
ふわりと漂う紫煙。
それに従って、覚えの新しい香りが
私の鼻を刺激した。
「テメェも仕事あんだろ。昨日の酒のことなら
どうってことねーよ。さっさと公務に戻れ」
「あのですね!私はお礼しにきたわけじゃ
ないんです!むしろ逆です!」
「はあ?」
土方さんは、いつもと変わらない。
・・・・ということは、やはり私の勘違いか
それとも夢か。
いやいや、そんなはずはない。確かに私の唇
には、それらしき感触が残っていたのだから
「セクシャルハラスメントです!
慰謝料を請求します」
「何なんだテメェは・・」
「すっとぼけないでくださいよ」
書類作業をやめようとしない土方さんは
筆を動かしながらため息をつく。
ーーー私はというと、その人の口元に意識が
持って行かれてしまって死にそうだ。
(ッ、・・いかんいかん!)
こういう場合は、ほぼ確実に女子が勝つのだ
裁判でも何でもどんとこい。
「ーーー私が言っているのは、あなたが昨晩、
酔った勢いで私にたいして行った行為です」
「・・・酔ってたのはどっちだよ」
「うるさーい!!!」
テメェがうるせーんだけど、と
眉をひそめて一言。
犯罪者が何を悠々と構えているのやら。
「ーーーあなたッ、・・・酔っているのを
いいことに私の・・く、唇を奪ったわね!?」
「ッぶほ!」
びしりと指を指して言えば、
その人は今日初めてこちらを向いた。
「ふっざけんなァァァ!!テメッ、何勝手に
事実捏造してんだコルァ!?」
「なっ、私が嘘をついていると言うんですか!
なら何でそんなに顔赤いんです!?私を襲った
時のことを思い出してたんじゃないんですか破廉恥な!」
「いやだから!!襲われそうになったの
お前じゃなくて俺ェェェ!」
なんとも全力絶叫なその人に
やっと私のマシンガンな責め立ては一時中断
は?と聞き返す。
「だから、酔った勢いで俺に口付けてきたのは
テメェだろっつってんだよ!!何で俺がお前に
しなきゃなんねェんだ!!」
「・・・・・・・はああああ!?」
なーにを言ってるのかしらこのお兄さん。
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シュシュ☆☆(プロフ) - ゆゆのんさん» ありがとうございます!がんばります! (2016年8月15日 7時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - かのんさん» ありがとうございます!今日中にUPできればと思います! (2016年8月15日 7時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆのん - 続編、頑張ってください!(ノ・ω・)ノオオオォォォ-! (2016年8月14日 15時) (レス) id: f6bd8ab27a (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 続編、おめでとうございますウウウウウ!! これからも頑張って下さい! (2016年8月14日 13時) (レス) id: 69804cea58 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 真結さん» ありがとうございます!最後まで突っ走りたいと思います! (2016年8月14日 10時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年7月31日 16時