【銀魂】金と愛嬌

何が起きた ページ27

ー土方サイドー


「酔ってませーん」



楽しげない声でそう繰り返すそいつ。
いや確実に酔ってんじゃねーか。





「・・いい加減にしろよ。明日も仕事だろ」





自分が誘っといてなんだが。
だってこんなに弱ェとは思わねーだろ普通。

・・耳を貸さねェそいつに、仕方なく
酒の残ったコップを取り上げてやる。






「ーーーああ！何するんですか！
泥棒！私の酒返せ！」

「もともと俺の酒だ！！」

「一度くれたものは出所がどこであれ
私のものです〜。返品不可！！」






両手を伸ばしてくるのを避けながら
コップをAから遠ざける。それでも
執念深く追ってくるのだから、タチが悪い。

ーーーが、まあ俺もそこで観念してやるほど
お人好しではない。

明日のこいつの仕事に影響がでたら困る。
何が何でもコップを死守してやる。







ーーーそれからしばらく続いた酒をめぐる争い

すると突然、Aの手がふらりと下に落ちた






「・・・もういい。」




その言葉に、ようやく諦めたか、と
安堵の息を漏らした時。









．









「こっちでいいです」

「・・・ッ、あ！！こらテメッ」









なんとなんと。

ーーーそいつは横に置いてあった俺の
飲み残したコップをつかみ、

・・ぐびっと一気に飲み干したのだ。









「おいいいいい！！かなり残ってたぞ！？
一気に飲んじまったのか！？つかそれ俺の、」

「うるさーい。少し黙りなさい」

「・・・・なッ！」









その後は、本気で何が起きたのやら。

そいつの顔が近くに迫ってきて、
・・次に、俺の唇に柔らかい"何か"が当たった







ーーー・・ハッと我に返ったときには、

Aは糸が切れたように、俺の膝の上で
眠りこけていた。

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