【銀魂】金と愛嬌

問題 ページ19

ー土方サイドー



谷津地Aがうちに来て、3日が経った今日
俺はそいつを呼び出した。





「話って何ですか。私忙しいんですよ今。
隊士さんがパフェ奢ってくれるっていうから
今からカフェに行くんです」

「あぁそれならちょうどいい。そのことだ」





というのも、近頃屯所内で、
ちょっとした問題が起きているのだ。









「ーーーなぜか、隊士の奴らで
給料を前借りする輩が急増している」

「ほお、」

「しかもその大半数が独り身だ」

「ほお、」

「養う家族もいねーのに何でそこまで
金がいると思う？」




相槌を打ってはいるが、こいつ聞いてんのか。

すると俺の問いかけに、うーん、と少し
首をひねったAは、軽快に指を鳴らす









「・・・・日焼けサロンに凝ってるとか」
「まだシラを切るか」




ふざけてる。こいつふざけてる。
猛烈に斬りたい

まあとりあえず、そこは自分を抑えつけ
「お前だよお前！」と解答を突きつける。





「何で私のせいなんですか」

「テメェが野郎に寄ってたかって金
むしり取ってるせいだろうが」

「人のこと悪徳金融みたいに
言わないでくださいよ」




悪徳金融よりもタチが悪い。

いや、引っかかる野郎も野郎だが
まあとにもかくにも、こいつのせいで
財布を緩めちまう奴が多すぎるということ。






「私はいかにして効率よく、金を搾り取るか
考えます。作戦を立てて実行します。
すると快くお金を出してくれる方がいます。
・・・ほらね。私は無実です」





いや、ほらねじゃねーだろ。

ーーーそれってつまり、








「確信犯じゃねーかァァァ！完全に黒だろ！」

「犯罪要素なんてどこにあるんですか」
「いたるところで豊作だわ！」






とどのつまり、こいつは魔性の女だ。
それだけは間違いねェ。

そして、一刻も早くこの問題を解決せねば
隊士どもが金欠という爆弾を抱えた挙句に
仕事にまで支障をきたしちまうことが
目に見えている





「・・・・とにかく、ちゃんと給料は払う。
今月分は近藤さんが小遣い感覚でくれたろ。
それで生活しろ。人からむしりとるな」

「わかりました。今度からは平隊士さんから
ではなく、幹部の方からむしりとるようにします」

「ぜんっぜんわかってねーだろ」




まあともあれ、幹部の人間が早々こいつに
ほだされることもあるめェ、と。

今回の説教はここで終わることにした

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