【銀魂】金と愛嬌

浮遊感 ページ17

この作戦は功をなしたようだ。
土方さんはだんだん苛立ちをあらわにしてきた






「・・ここまで回復に時間かかるか普通。
筋力が著しく低下してんじゃねーのか」

「本当さっきから失礼極まりない！ひどい！
慰謝料上乗せしますから！！」

「払わねーよ」

「じゃあ上乗せする前の慰謝料でいいです」

「だから一銭もやらねェって」




乙女を侮辱した上に、この仕打ち。

そろそろ苛立ちもピークを迎えるかと
思われた頃、・・土方さんはひとつつぶやく。






「ーーーーこうなりゃ仕方ねーな」

「・・・？」





そして、それに私が反応する間もなく、
ーーーなぜか、体に感じる浮遊感

え、まって。ちょっとたんま。






「な、何してるんですかァァァ！？」

「こちとら仕事が残ってんだ。テメェの低下
した筋力の速度に合わせる余裕なんざねェ」

「ちょ、セク、セクハラですよッ」

「何とでもいいやがれ」





ーーー浮遊感の正体。・・それは、私の体が
土方さんによって持ち上げられたことから
発生したものである。

抗議の甲斐もなく、私は空中で足をぶらりん。


それは、もうこの際何万歩も譲って良しとする
私の体が浮いたのは良しだ。

・・が、一ついただけないのは、







「ーーーッ、せめて姫抱きとか
できないんですか！？私女ですよ！？」





今の状態は、いわゆる"俵担ぎ"と呼ばれるもの
つまり私は今、土方さんの右肩に俵のごとく
担がれているということである。






「気の利かない男ですね！いやまあ貴方に
姫抱きなんてされたくないですけども！？」

「あーそうかい。そりゃよかった。
いいか今のお前はただの俵だ」

「あぁぁああ！セクハラの上にパワハラ！？
従業員を俵扱いとは何事ですか！このハゲ！」

「ハゲてねーよ！！」




広い背中を両手でバシバシ叩いてみるも
効果はなし。

筋肉で固められた体をもろに殴ってしまい
私の拳の方が痛いくらいだ。






「あーあーセクハラパワハラマタハラ」

「いでっ・・テメッ蹴るな！」
「私の心はもっと痛いですよ！」





次はちょうどその人のお腹あたりに来ているで
あろう足をドタバタと動かしてみる。
ふむ。こっちの方がダメージがでかそうだ。









「つか足動いてんじゃねーかァァァ！！」

隠さない→←困らせる

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す