検索窓
今日:6 hit、昨日:19 hit、合計:468,483 hit

馬鹿真面目 ページ15

1日目の定時を迎え、
私は低く唸りながら背伸びをする。

予想外に量があったり、わからない事柄が
あったりして、・・意外と時間がかかる

ひとまずこれは何分の一終わったんだろうか。





考えている私の耳に、カツコツと響く足音。









「ーーーおい、終わったならとっとと出ろ。
鍵しめるぞ」

「土方さん・・何かご用ですか」

「ご用も何もテメェの退勤時間だ。
資料庫も閉めにゃならねーんだよ」





またこの人か。ことごとく絡んでいる
気がする。何の因縁だろう。


そして、疲労感満載の体で言い合いを楽しむ
気分にもなれず、私は黙って
腰掛けていた椅子から体を起こした。

・・はずだった。







「ーーーーッ、・・いっ!?」




私が思っていた通りに足が動いてくれることは
なく。突然ビリッとした衝撃を受ける。

力が入らず、私の体はバランスを崩して
床に吸い込まれていった。






「いったー・・」

「・・・あーあー何やってんだ」





そんな私を、土方さんはため息混じりに
見下ろしてくる。そんなこと言われても、
私も何が起こったかわかってない。

土方さんは、特に心配の言葉をかけることも
なく、早くしろ、と一言。・・鬼め!




(一体、何だったんだろう・・)




何かにつまずいたか、あるいは足をひねったか
・・いや、違う。








「ーーーーあの、」

「あ?」




この特有のビリビリした感じ。
足が思うように動かない。というか動かすと
この上ない苦しみが待っていそうな予感。

半分感覚もないし。これは間違いなく









「・・・足が、しびれて立てません」

「はあ!?」






私は長時間、椅子に座っていたわけだ。
・・いや、正確には座っていたというのか。




今、気付いたのだが、

前職で畳上での作業に慣れ親しんだ
私の体は、資料庫に設置されたパイプ椅子の
上で、知らぬ間に正座をしていたのだ。









「おまっ、やっぱ馬鹿だろ」

「馬鹿真面目なだけです」




これは決して馬鹿だとか間抜けだとか
そういう話じゃない。

私が自分の足への注意が逸れるほどに、
集中していたということだ。

困らせる→←下心



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (283 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
461人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 真選組   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

シュシュ☆☆(プロフ) - ゆゆのんさん» ありがとうございます!がんばります! (2016年8月15日 7時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - かのんさん» ありがとうございます!今日中にUPできればと思います! (2016年8月15日 7時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆのん - 続編、頑張ってください!(ノ・ω・)ノオオオォォォ-! (2016年8月14日 15時) (レス) id: f6bd8ab27a (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 続編、おめでとうございますウウウウウ!! これからも頑張って下さい! (2016年8月14日 13時) (レス) id: 69804cea58 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 真結さん» ありがとうございます!最後まで突っ走りたいと思います! (2016年8月14日 10時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:シュシュ | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年7月31日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。