【銀魂】＊ミニマム＊番外編

呼び方 ページ8

今日は土方さんはお仕事で屯所におらず
私は1人でぷらぷらと散歩していた。


最近では江戸の町にもすっかり慣れて、
兄ちゃんの過保護も少し緩みつつある。







「ーーー・・あれ、」




お天気の日にはいつも座る公園のベンチに、
見覚えのある人物をみつけた。



天然パーマを無造作にセットした銀髪。
だるそうな目と、腰に差された木刀。









「・・・えっと、・・銀、さん？」





記憶を手繰り寄せて名前を呼ぶと、
その人はゆっくりこちらに視線をむけて
「あ、」と声を出した。






「よお、久しぶりじゃねェか沖田シスター。
相変わらずキョドキョドしいなお前」

「な、何ですかその変な名前」


「うるせーな。それで伝わんだろ？
世の中ニュアンスなんだよニュアンス」

「す、素敵な理論だと思います！」





だろ、とキメ顔をする銀さん。

事情を聞くとパチンコで大負けしたらしく
今はすこぶるおちこんでいるらしい。








「・・で？前に言ってたこと、解決したか」

「あ、ああ！」




そういえば、私が土方さんのことでうじうじと
落ち込んでいた時、万事屋さんに相談に
乗ってもらったんだった。

銀さんの言葉にはすごく助けられたっけ。









「実は、ですね・・_______ 」






想いを伝えて、一度諦めて。
武州に帰ろうとして。

・・・でも土方さんが追いかけてきてくれて。





今に至るまでの経緯を、銀さんに伝えた。









「へえ、そうなんだーふーん・・・




・・・は？土方君？」

「え、はい」




きょとんとする銀さんに、もしかしてご存知
なかったですか？と質問を投げかける。









「ーーーいや知らねェよォォォ！？は？
何お前！？あのニコマヨネーズの何がいいの？
てかそれ沖田君ブチ切れてんじゃねーの！？」

「ぎ、銀さん顔怖いです・・ッ」

「お前ビビリのくせにあんな悪の根源みてーな
野郎に惚れるか普通！？」

「は、はい。確かに最初は怖いなって印象
だったんですけど、関わっていくうちに、」

「惚気死ねクソボケェェェ！！」

「ひぎゃああああごごごめんなさい！」





パチンコ負けたばかりの大人に
話しかけるのはやめよう、と。

私はまた一つ、江戸の闇を学んだ。

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