検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:50,865 hit

未来※軽く本誌ネタバレです ページ43

.






皆、怪我をした。傷ついた。
平和だと思っていた江戸の町で、

ーーーー悲しい戦争が、始まったのだ。








『準備は、順調ですか?』

『あぁ、・・2、3日のうちに発つ』





静かな風が流れる広場に、大きな飛行船が
用意された。・・それは、数日後に控えた
旅立ちのために使われるもの。


しばしの沈黙。その次に来るものは、
なんとなく、わかっていた。









『ーーーお前は、連れていけねェ』








・・土方さんは落ち着き払った声で私に
予想通りの通達を告げた。







聞いて、・・それから呆然と目を向けた先には
準備を進める隊士さんたち。

兄ちゃんや近藤さんを含めた皆は
ーーー・・もう、あの隊服を着ていない。









『・・・嫌、です。土方さんや兄ちゃんと、
離れるの』




言ってもどうにもならないことだと知りながら
私は拒否を示した。いつも通り滲んできた涙は
溢れるままに放っておいた。






『・・ダメだって、わかって、ますよ?
ーーでも、嫌なものは、嫌です』






皮肉にも、心地よい風が吹いて
土方さんの吐き出した紫煙を揺らす。

何も言わず、首も振らず、その人はただ、
私の頭にそっと手を置いた。ーーそして、









『ーーーもし、俺がいなくなったらどうする』







・・・いつかに聞いたその問いを、また紡いだ







『ッ、ーー、』






思い出すのは、今のような心地いい風に
ゆれていた、一面の紅葉。



あの時、・・あの瞬間に私が言った答えは、
考えるでもなく、虚勢でもなく、

ーーー心の底から、出したものだった。






ふわり、・・少し軽くなった心と
自然と開いた口元。ーー浮かんだ、微笑。









.



















『ーーー待ってます。・・いつまでも』

その日まで→←→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (111 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
115人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 番外編
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

わー - 凄く面白い作品で本編が終わるとかも短編集が終わる時も、もっと見たいという名残惜しい気持ちでいっぱいでした。土方さんだけに関わらず作品に出てくる全てのキャラと主人公の関係が大好きでした!このコメントを読まれるか分かりませんがお疲れ様でした!また読みます (2022年8月18日 23時) (レス) id: eba973b108 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - 自分なりのミニマム最終回の続きやってみました (2018年8月11日 12時) (レス) id: cbdaf79d75 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - シュシュちゃんの作品はとても好きなのでこれからいっき見してみようと思います! (2018年8月11日 12時) (レス) id: cbdaf79d75 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - 考えた内容としては沖田が2人の話聞いちゃって周りに沖田のせいでバレちゃって慌てていた所に久しぶりに近藤さん達に再会する。兄との会話は思いつきませんでした。私では力不足なので分からない事が多くて・・・大丈夫ですかね?出来たら返信お待ちしています。 (2018年8月11日 12時) (レス) id: cbdaf79d75 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - 恥ずかしながら戻ってきてしまいました。とてもお久しぶりです。あれから自分なりに考えたのですが主ちゃんが19才でプロポーズを受けるのって早いですかね?後、ザキと終兄さんとの掛け合いもやってみました! 続く (2018年8月11日 12時) (レス) id: cbdaf79d75 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:シュシュ | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年3月31日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。