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ー土方サイドー



ーーー改めて考えると、不思議なもんだ。


・・こいつに惚れるなんざ、微塵も
思ってなかった。





ちらりと横を見やると、ニコニコと終始笑みを
浮かべるAが見えて。






俺よりも頭数個分低い背丈。
小さな声。小さな手足。ーー狭い歩幅。

・・・その上、気も小せェんだ、こいつァ






優雅に、緩やかに、木から舞い落ちる紅葉。

時たまそいつの柔らかな髪を飾りつける。
払ってやれば、すぐ顔を赤く染めるのだ。









「A、ーーお前は、俺でよかったのか」

「え?」






普段とは違うことをしているせいか、
自然と飛び出したのはそんな質問。

思わず立ち止まったらしいAは、こちらに
目線を添えたまま、首を傾げた。







「・・どういう意味ですか?」




そんな問いで返された。ーー意味、か。









「まあつまり、・・ーーお前は俺の隣にいる
ことに不満はねーのかってことだ」




至極簡単に、簡潔に、そう紡げば
苦笑するように頬を緩めたA






「・・そんなものがあるなら、
ここにいませんよ!」




次に見えたのは、満面の笑み。

よく笑顔はひまわりに例えられることがあるが
・・そいつのそれは、まさしくその通りだ







「ーーー私は、何があっても、・・ずっと
土方さんの隣にいたいです」





いつもはつつけばすぐに崩れてしまいそうな
細い声に、一本の芯が通ったように思えた。

そのせいだろう。ーー柄にもなく、鼓動を
大きく跳ねさせちまったのは。








「・・・俺が、いなくなることになってもか」



こんなことを聞いて何になる。

身近な奴がいなくなることを想像して、
泣き出してしまうかもしれねェ。

完全に、こいつを追い詰める質問である。


・・・が、ーーー聞いておきたかったのだ。







見据えた先で、視線が交差した。


やはり、・・最悪のケースを想像したのか
Aの瞳は、一瞬揺らぎを見せた。

ーーが、





(・・・ッ、)





どうしたことか、ーー次に強さを宿したのだ

ーーー・・そして、






「・・ま、待ちます!ずっと!いつまでも!」






やはり芯の通った声で、
ーーーー高らかと宣言したのだった。









(いなくなるっつーのを死に関連付けねェ辺り少しは成長したな)





ならば、何があっても、・・・必ず帰ってきて
みせようじゃねーか


ーーーだれでもねェ。こいつの、元に。








久々の紅葉狩りは、・・少し特別なことものに
なった。

未来※軽く本誌ネタバレです→←→



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わー - 凄く面白い作品で本編が終わるとかも短編集が終わる時も、もっと見たいという名残惜しい気持ちでいっぱいでした。土方さんだけに関わらず作品に出てくる全てのキャラと主人公の関係が大好きでした!このコメントを読まれるか分かりませんがお疲れ様でした!また読みます (2022年8月18日 23時) (レス) id: eba973b108 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - 自分なりのミニマム最終回の続きやってみました (2018年8月11日 12時) (レス) id: cbdaf79d75 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - シュシュちゃんの作品はとても好きなのでこれからいっき見してみようと思います! (2018年8月11日 12時) (レス) id: cbdaf79d75 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - 考えた内容としては沖田が2人の話聞いちゃって周りに沖田のせいでバレちゃって慌てていた所に久しぶりに近藤さん達に再会する。兄との会話は思いつきませんでした。私では力不足なので分からない事が多くて・・・大丈夫ですかね?出来たら返信お待ちしています。 (2018年8月11日 12時) (レス) id: cbdaf79d75 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - 恥ずかしながら戻ってきてしまいました。とてもお久しぶりです。あれから自分なりに考えたのですが主ちゃんが19才でプロポーズを受けるのって早いですかね?後、ザキと終兄さんとの掛け合いもやってみました! 続く (2018年8月11日 12時) (レス) id: cbdaf79d75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年3月31日 16時

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