【銀魂】先天性ブラックシンドローム

万事屋だから ページ10

ー銀時サイドー


「ーーーそれにしても、やけにあっさり
居住許可だしましたね銀さん」




ふと聞こえたのは新八からあがった声。
・・昨日突如やってきた安西Aのことを
言っているんだろう。



幸いなことに、Aは今は日課であるらしい
散歩に出かけている最中であり、万事屋は
一日ぶりに静かさを取り戻していた。







「ーーー・・別に深い意味はねーよ。
・・労働力の代わりに住居の提供。給料は
いらねェっつーし、まずまずの等価交換だろ」


「いやだって銀さんクズ並みのケチじゃない
ですか。労働力が必要だといっても、自分の
生活スペースを犠牲にできるとは思えません」

「お前何さらっと貶してくれちゃってんの」









たしかに我ながらあっさりと許可したという
自覚はある。






(ーーーきっかけってのは多分、)







ーーー・・余裕のある瞳の奥に見えた、
謎の必死さ。



ただ単に住むところがなく、加えて午後から
雨の予報がでていた昨日だったからこそ
焦っていただけなのかもしれないが。


少しだけ、・・・その瞳が気になったのだ。








「・・ま、ここァ万事屋だからな。
できる依頼はこなすってだけだ」





そう返答すれば
気まぐれですね、と呆れ声。







「バカヤロー。気まぐれさを持ち合わせて
いねェ人間なんざ牛肉の乗ってねェ牛丼だぞ
ただの玉ねぎ混ぜた白飯だぞコラ」

「いや意味がわかりません」

「わかるよな神楽」

「私はカツ丼の方が好きアル」
「いやそれは聞いてねーけど」





まあとにもかくにも、あいつのことは
これから探って行けばいい。



神楽に関しては意外とあいつと気が合うらしく
朝も会話を交わしていたようだ。





とりあえず何とかなりそうだな、と
一息ついたところで、玄関がガラリと音を立てた

共鳴→←見出した価値

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す