一文字 ページ41
「お前、・・・何言ってんの」
息を飲んだその人は、
呆然とした声をあげる。
「何って、その通りの意味だけれど」
口元を緩ませて微笑めば、
瞬きを繰り返す銀時さん。
「ーーー好きみたいなの、あなたのこと」
だってこれは紛れもない事実で。
先日気づいたそれを隠しておけるほど、
自分が器用じゃないことは知っている。
さらりというのは、別に難しいことじゃない
「・・お、お前が俺のこと?冗談だろ?」
「私は冗談は嫌いよ」
「存在が冗談みてーなくせして?」
「・・ほんとあなたって空気読めないわよね」
告白した身でありながら、ここまでいらいら
させられるなんて思わなかった
雰囲気のかけらもない状況に、苦笑いしか
浮かばない。・・でも、
.
「ーーーあなたといると、退屈しないの」
ほかの人とは一味違った面白味を含んだこの人
を、もっと知りたくなった。
本当に不本意なことだけれど、
恋というのはどこにいつ転がっているか
わからないもので。
それが今回、このダメ男の上にあったという
ことなのだろう。
ならば、私は受け入れるしかない
.
「・・あの、銀時さん?」「ーーーなら、」
続く沈黙にしびれを切らし名前を呼べば。
「俺もお前に確認してーことがある」
「・・・、」
そこで今日、初めて目線が交わった。
いつも生気を失っている瞳が、
ーーーぎらりと小さく光るのがわかる
その中で、薄っすらと浮かんだ
いたずらめいた笑みが、私を惹きつけた。
.
.
「ーーーー・・俺が、お前のこと特別に
感じてるっつったらどうする?」
肌寒い気温に、体温は対照的に数値を上げる。
大きな波を合図に
心臓が壊れそうなほどに、鼓動が鳴り響く。
.
「・・・え?」
必死で絞り出した声は、たったの一文字
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シュシュ(プロフ) - ポキポキポッキーさん» コメントありがとうございます!前途多難ですね…ほんとに笑 温かく見守っていただければ嬉しいです! (2015年12月20日 20時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
ポキポキポッキー(プロフ) - 続編おめでとうございます!ついにくっつきましたが前途多難そうですね(笑)続編でも頑張ってください、応援しています! (2015年12月18日 0時) (レス) id: 2f2cad61da (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - ハイデマリーさん» コメントありがとうございます!どうしても他キャラの小説なのに沖田さんを絡ませてしまう私…。喜んでいただける方がいらっしゃると嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2015年12月15日 20時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - 夜桜さん» コメントありがとうございます!風変わりな夢主ちゃん、温かく見守っていただければと思います! (2015年12月15日 20時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
ハイデマリー(プロフ) - 沖田さんが出てきた(*´∀`*)キャー 銀さんオチなのに沖田さんに反応してしまう自分…(笑) やっぱり面白いです(*´-`)テスト期間なのに読んでしまうくらい!!!← (2015年12月12日 12時) (レス) id: e0258c611f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2015年12月5日 10時