【銀魂】先天性ブラックシンドローム

自覚 ページ37

「お前さ、人のこと振り回して楽しい？」

「勝手に振り回されてんのはあなたでしょ」




男たちと別れた帰り道。

勝手にボディーガードを務め、勝手に凹み、
勝手に青筋を浮かべるその人を振り返り
笑いかける






「だってお前の話ウン百万は搾り取ってた感じ
だったじゃん！命危ない的な感じだった
じゃん！読者にも"売られちゃうかも・・"とか
モノローグでびびったこと言ってたじゃん！」

「甘いわね。どうせなら読者も騙す感じで
やらなきゃ」

「お前寺の鐘と一緒に叩き鳴らすぞコラ」




体に染み込んだ煩悩とってこい！、と
叫びまくる銀時さん

かなりお怒りのようだけれど、私としては
楽しくて、・・ーーー嬉しくて仕方が無い







「ーーーありがとう、銀時さん」

「・・・は？」





つぶやいた言葉は、
しかと彼の耳に届いたようで。

後ろで素っ頓狂な声をあげ、足を止めた。








.








(ーーー今は、顔見れない)





赤くなっているであろう顔を隠し、
いまだに立ち尽くすその人を置いて歩を進める









「・・ったく」




少しして、呆れ声をあげた銀時さんは
足早に私の横に並び直す。

ーーーポンと、その人の掌が頭に軽く触れた






「・・・ま、無事でよかったってことに
しといてやらァ」





そして、いつものダラっとした表情を緩ませる







.








(ーーー・・ああ、やっぱり)






・・今回の件で、とんでもなく不本意なものを
自覚してしまったようで。

予感はしていながらも必死でごまかしてきた
それは、・・ーーーー私の中で、確実に
大きくなって行く








.








(ーーー・・まさか惚れちゃうなんてね、)





本当は、"面白い"と感じ興味を持った時から
・・出会った時から、

ーーーそれは芽生えていたのかもしれない。



いつから男趣味が狂っちゃったのかしら、と
苦笑をもらして。







「あーあーお腹減った。キャビア食べたい」
「ウサギの糞でも食ってろ」
「今日は私が作ろうかしら」
「やめてくださいスミマセン」




誤魔化すように背伸びをして
ーーー・・赤くなった顔を、こっそり背けた

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