変な男 ページ29
「ーーーとりあえず食べよーぜ。
ロシアンルーレットでもアメリカンルーレット
でも、後で付き合ってやっからよ」
余裕上々のその男は、完全に勝ち組のドヤ顔。
だらしなく垂れ下がった目尻に殺意。
・・・湧き出るイライラの行き場はどこ
青筋がピキリと音を立てるのを聞きながら
私は穏やかな笑みを浮かべる
「ーーーしつこいわよ銀時さん。
食べないと言っ・・・んぶっ」
.
ーーー次の瞬間、・・口に広がった
心地いい甘さ
目の前でフォークを持って得意な顔をする
その男に目を移し、・・そしてそらす。
「どうよ?」「・・・まあまあじゃない?」
「どの口が言ってんだか」
いたずらめいた瞳が、私を捉える。
不覚にもしばく見入ってしまったそれは、すぐ
にいつものやる気のないものに戻っていった。
「・・本当に不思議な人ね、あなたは」
「あ?何のことだ」
「こっちの話よ」
(ーーー・・だめだ。変に惹きつけられてしまう)
別に特別な気が起きてるわけじゃない。
ただ、興味が湧いてくる、とでも言うべきか。
まだまだ見せていない表情を隠し持っている
のではないか、なんて思えるが
「銀ちゃんおかわりヨ」
「バカヤロー。おかわりなんざ誕生日以外に
許されると思うなよ。これは全部作者の俺のもんだ」
そんなやりとりがガキっぽくて
やはり見間違いかとも考えられてくる。
ーーー・・なのに
.
「ーーーちょっ!何して・・、」
・・・さっき、私の口に無理やり突っ込まれた
そのフォークをためらいなく使用するこの男は
ーーーやはり私に推し量れないのかもしれない
「んだよ。・・・こんなことで赤らむたァ、
お前経験豊富なフリして実は処じ・・」
「何が言いたいのかしら?」
「・・・何でも無いです。」
「よろしい」
笑って包丁をかざせばそんな謝罪。
女にそんなことを言うなんて
デリカシーというものがないのかしら。
「ーーーあ、お前」「何・・・って、」
そして、・・最後にもう一戦。
「ーーー口の端にケーキのクズつけてるなんざ
だらしねーぞ、自称淑女」
「・・・ッ、・・あら、失礼。」
不意打ちに口の端を拭われてしまい
してやったりな視線を食らう。
.
(ーーー・・やりづらい)
本当、変な男。
・・・目線をそらし、熱くなる顔を扇いだ
242人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シュシュ(プロフ) - ポキポキポッキーさん» コメントありがとうございます!前途多難ですね…ほんとに笑 温かく見守っていただければ嬉しいです! (2015年12月20日 20時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
ポキポキポッキー(プロフ) - 続編おめでとうございます!ついにくっつきましたが前途多難そうですね(笑)続編でも頑張ってください、応援しています! (2015年12月18日 0時) (レス) id: 2f2cad61da (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - ハイデマリーさん» コメントありがとうございます!どうしても他キャラの小説なのに沖田さんを絡ませてしまう私…。喜んでいただける方がいらっしゃると嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2015年12月15日 20時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - 夜桜さん» コメントありがとうございます!風変わりな夢主ちゃん、温かく見守っていただければと思います! (2015年12月15日 20時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
ハイデマリー(プロフ) - 沖田さんが出てきた(*´∀`*)キャー 銀さんオチなのに沖田さんに反応してしまう自分…(笑) やっぱり面白いです(*´-`)テスト期間なのに読んでしまうくらい!!!← (2015年12月12日 12時) (レス) id: e0258c611f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2015年12月5日 10時