【銀魂】先天性ブラックシンドローム

素性 ページ21

「神楽ちゃーん、次お風呂どーぞ」

「ハイヨー」




濡れた頭をタオルで拭きつけながら
神楽ちゃんに声をかける。








.







「・・・・オイ」

「何よ」





後ろからかかった不満げな声に答えれば、
社長室にふんぞり返るマダオ。






「・・・何でこの家の主人の俺が、
風呂入るの一番最後？」





ふむ。なるほどそういう問題か。








「あら、入りたけりゃ入ればいいじゃない。
その代わり、あなたは覗き魔のレッテルを
貼られることになるけれど」

「誰がテメェらの貧相な体なんざ覗くか」
「さばくわよ」





誰の体が貧相だって。ほんとに失礼な男だ。
道理で彼女もいない独身のはずだ

ため息とともに哀れみの目を向けていれば。








「ーーー・・なあA」

「ん？」





あちらはあちらで、なんとも言えない視線を
送りつけてくる。






「・・お前さ、そろそろ教えてくれても
いいんじゃねーの？」

「スリーサイズ？」「ちげーよ」




ガシガシと頭をかいた銀時さんは
・・珍しくしんみりとした様子で。







「ーーーお前の素性」



と、一言。






「理由も告げずにここに上がり込んで
俺の一番風呂まで妨害してんだ。・・俺にゃ
それくらい聞く権利あんじゃねーの？」


「・・・素性、ねェ」


「ここに来る前何してたとか、それくらい
話せるだろーが」







話すような素性など少しもないのだけれど。

そこまで私の過去が気になるというのか。
たた単に好奇心か。








「・・・ま、そのうちわかるわよ」

「はあ？」






話さずともいずれわかるのであれば、
別に今わざわざ喋る必要もないだろう。


早々に話を切り上げて。





それより牛乳、と冷蔵庫を開けた

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