同情 ページ16
ー銀時サイドー
店に走る緊張。
人通りの少ない道に建てられているだけあって
客はまともにきていない。
そんな中現れた男の目は、・・あきらかに
普通の買い物客ではない。
商品を眺めるふりをしつつも、こちらに
チラチラとした視線を送ってきているし。
「ーーーどうやって捕縛するの?」
「は?撃退だけでいいっつってたじゃん」
「だめよそんなの」
犯罪者はとことんこらしめなくちゃ、と
笑顔で舌なめずりをするこの女は
・・絶対ェ頭おかしい。わかってたけど。
『銀さん、雑誌売り場に移動しましたどうぞ』
「ラージャ。そいつ何読んでる、どうぞ」
新八から入った通信に即座に小声で対応
『いや、それ必要ですかどうぞ』
「相手の内部を知るのは俺たちの義務だどうぞ」
「銀時さん、余計なことしないで」
ダンボールを解体するために使うはずの
カッターを、俺の殺害に使いかねねェそいつに
脅され、おとなしくトランシーバーをしまう。
.
ーーーそれからしばらく経った昼時、
チラホラと客が顔を出し始めていた。
「・・動かねーな」
いまだに雑誌を立ち読む男に
ため息が漏れる。
この仕事の片手間、普通の事務仕事も
しなけりゃならねェってのがまた面倒で。
.
「ーーーねえ少しくらいいいじゃねーか。
お客様にそれくらいサービスしてもいいんじゃ
ねーの?」
ふと、隣のレジから聞こえてきた不可解な声。
みてみれば、柄の悪そうな野郎が一人
Aの受け持つレジに肘をついていた。
「私に声を掛けるってところをみると
・・・目は正常なようだけれど」
「だろお!?それに俺お姉さんのこと
絶対後悔させねーよ」
強引にナンパされているらしいというのに、
全くもって危なっかしさがない。
・・したがって助ける気なんざおきねェわけで
とりあえず経過をみていれば。
ーーーニコリと得意の含み笑い。
目を細めたそいつは。
「ーーーお客様、・・・欲求が満たされて
いないのであれば、動物園の猿にでも
言いよってみてはいかがでしょう」
顔を引きつらせたナンパ男に
・・・ひとひらの同情を抱いた
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シュシュ(プロフ) - ポキポキポッキーさん» コメントありがとうございます!前途多難ですね…ほんとに笑 温かく見守っていただければ嬉しいです! (2015年12月20日 20時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
ポキポキポッキー(プロフ) - 続編おめでとうございます!ついにくっつきましたが前途多難そうですね(笑)続編でも頑張ってください、応援しています! (2015年12月18日 0時) (レス) id: 2f2cad61da (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - ハイデマリーさん» コメントありがとうございます!どうしても他キャラの小説なのに沖田さんを絡ませてしまう私…。喜んでいただける方がいらっしゃると嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2015年12月15日 20時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - 夜桜さん» コメントありがとうございます!風変わりな夢主ちゃん、温かく見守っていただければと思います! (2015年12月15日 20時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
ハイデマリー(プロフ) - 沖田さんが出てきた(*´∀`*)キャー 銀さんオチなのに沖田さんに反応してしまう自分…(笑) やっぱり面白いです(*´-`)テスト期間なのに読んでしまうくらい!!!← (2015年12月12日 12時) (レス) id: e0258c611f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2015年12月5日 10時