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11月頃、変わったことがあった。
Aと百合が共に行動することが多くなったことだ。
Aは見るからにやせ細り、百合は明らかに元気がなくなっていった。
それでも俺達は音を奏続けた。
人気が出ていた俺達は毎晩のようにスタジオで音を合わせた。
沢山の音を作ったが、徐々にAの書く歌詞が悲しいものになっていった。
それでも俺達の前ではいつも笑顔なAに皆、大丈夫だと信じ切っていた。
まさか、Aの体に異変が起こっているとも思わずに。
そして12月のクリスマスイブ。
俺達は結成記念日感謝ライブを行った。
ライブハウスには入り切らないほどのお客さんが集まった。
嬉しくて、嬉しくて。
俺達は幸せだった。
次の日、あんなことがあるまでは。
・
要「おい百合!しっかりせーや!」
シン「百合!」
今目の前に広がる光景が夢だと思いたかった。
アリア「百合!しっかりしなさいな!」
アラン「先輩!頼むから!!」
ココは何処だ?
否、分かり切っている。
桐斗「お、おい…、百合…」
茉莉「何で…」
ココは病院。
真っ白な部屋。
そしてベッドの上には俺達の仲間、百合の姿。
佐賀美「頼む!死ぬな百合!!」
何でこんなことになった?
何故『交通事故』なんて起こったんだ…。
A「ゆ、百合…。貴女、私の傍にいてくれるのではなかったの…?私が歌っている限り、傍で支えてくれるっていったじゃない…!」
百合の手を握りしめ、泣きながら百合に訴えるA。
何故百合がこんな目に遭わなければならなかった?
百合「ふふ…、せ、んぱい…、私は、しあわ、せです…。愛しい、みん、なに、かこま、れて…」
A「止めて百合…、嫌よ…」
百合「ひと、つ…、お願、いが、ありま、す…」
A「嫌よ百合…、嫌…」
やめてくれ百合…。
百合「うた、って…、ずっと…、いつ、までも…。あなた、の、声、私の、宝物…」
A「百合…?百合!!」
静かに目を閉じた百合。
百合が目を覚ますことはなかった。
この世に神様なんていない。
もしいるというのなら、俺は神様を恨む。
何故、俺達の幸せを壊したんだ…。
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美雨(プロフ) - 空白@吹部@Tp@不定期浮上さん» 杏華さん……。偶然ですね笑 (2019年9月12日 2時) (レス) id: c96fe36f3a (このIDを非表示/違反報告)
空白@吹部@Tp@不定期浮上(プロフ) - 母親が京華で娘が杏華、、、() (2019年9月10日 16時) (レス) id: a83a008361 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - ちょこれーとさん» ありがとうございます!頑張ります(●´ω`●) (2017年10月22日 23時) (レス) id: 52b86810f6 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - おもしろいです!更新頑張ってください!(*^-^*) (2017年8月9日 22時) (レス) id: f8ef116a38 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - 美雨さん» そうなんですか!すみません気になってしまって > < これからも頑張ってください!! (2017年7月21日 5時) (レス) id: b7473b1f55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美雨 | 作成日時:2015年9月25日 23時