純白、然数多の焦燥感 ページ34
「ぼ、ぼく、あなたをしってる。あなたのこと、しってる。ぼくのなまえは、正宗、白鳥。」
『…え。』
やってしまった。完全に女の子だと思っていた。
あまりにも線が細く、纏う雰囲気も柔らかかったし、それに幼子の性別の見分けは難しいから仕方が無いよな、と自分に言い聞かせておく。お嬢さん、と呼びかけなかっただけましだ。
隣で国木田殿がぷるぷると震えている。大方笑いを堪えているのだろう。
そんななんとも微妙な沈黙のなか、少女否正宗少年が、口を開き、語り始めた。
「ぼく、むかし、あなたにたすけられた。
ひんみんがいに、いて。ぼくが、うまれたてのころだった。ろくねんまえ、くらい。
ぼくのおかあさんのことを、あなたはたすけようとした。でも、だめだった、から。
まにあわなかった、から。そのかわり、うまれた、ぼくのこと、を、たいようにあてないようにして、おいしゃさん、まで、はこんでくれた。
ぼろぼろになっても、ちだらけでも、ぜったいたいようにだけはあてないで、
ひんみんがいから、はしってよっかの、びょういんまではこんでくれた。
ぼくはあかちゃんだったから、おぼえていない、けど、それを、ここのせんせいが、くりかえし、くりかえし、ずっとずっと、はなしてくれた。」
辿々しく、されど一生懸命に此方に伝えて呉れる。然し、『…そんな事が。合ったのに、私は一つも覚えていない。御免ね少年。でも、君が生きていてくれて、良かった。』
国木田殿がおず、と口を開く。
「白鳥は白皮症でな、生まれたときからずっと、目が殆ど見えない。太陽の光も当ててはいけない。
俺はこの子が一度誘拐されかけて、闇市で売買されそうになっていた処、それを企てた犯罪集団を鎮圧した。
お前が病院に運んだ時、この子が二年、病院に掛かれるだけの金は母親から渡されていたらしい。
だからその仕事でこの子と知り合ってから、俺はこの子の入院費を肩代わりしている。
ひと月に一度見舞いに来るのだが、その話は幾度も訊いたことがあった。
六年も経っているし、その少女の外見も変わっているだろうと思ったが、決定打はお前のその首の痣だ。」
首もとを撫でると、確かにざら、と他とは違う感触がした。
自分にこんな痣があったとは知らなんだ。
よくよく鏡で見てみると、それはまるで、稲妻のような形をしていた。
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うみねこ(プロフ) - sakiさん» わざわざ受験の応援までありがとうございます😢これからも精進致します！！！ので！！！！どうか御愛読下さいｯｯ！！！！ (2022年3月13日 22時) (
レス) @page41 id: 162766b2fc (このIDを非表示/違反報告)
saki(プロフ) - わぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！！これからも頑張ってくだい！！！！！！ (2022年3月12日 21時) (レス) id: b490b17036 (このIDを非表示/違反報告)
saki - 入試頑張ってください！！！！！！！この小説特に好きです！！！！！！！！！！！！！！！！！！！ (2022年2月15日 21時) (レス) @page41 id: 0fd44e5e71 (このIDを非表示/違反報告)
うみねこ(プロフ) - 完熟済みの桃さん» ｲﾔｧ゛！！！！！！！私からすれば貴方しか勝たんです！、！！！！！特大ありがとうございます！！！！！！！！！！！お待たせしまくってほんと、、、申し訳無い！！！！！！ (2022年2月15日 17時) (レス) @page40 id: f55211ea64 (このIDを非表示/違反報告)
完熟済みの桃 - まじでこれしか勝たんと思いました。更新待ってます (2022年1月20日 21時) (レス) @page40 id: f290e00cd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うみねこ | 作成日時：2021年8月19日 0時
