エンマのお兄様！？【妖怪ウォッチ】

兄が45人 ページ48

エンマside

朝、目を覚ますと、兄さんの姿は見えなかった。

エンマ邸のどこを探しても、居なかった。俺が泣きながら

兄さんと叫んで呼んでも、来なかった。

ねぇ、兄さん。今、どこにいるの？兄さん、俺、兄さんが居ないと、寂しいよ。

兄さん、兄さん兄さん、俺の事、嫌いになったから、消えたの？

俺がいい子にしてれば、帰ってくる？

俺が、王になって、ちゃんとしてたら、帰ってくる？

俺は、兄さんが居なきゃ、何も出来ないんだよ。だから、だから早く

ｴﾝﾏ「帰って、来てよぉ、にぃ、さんｯ!!(ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ」



ぬらりside

今朝、唐突に姿を消したA様。影から聞いた。

何を差し置いてでも、やらなければいけない事が出来た。

だから戻るまでにこのエンマ邸とエンマを頼む。そう言って出て行ったと。

"何を差し置いてでも"ですか。A様、貴方様は本当に

泣き叫んで寂しがっている若様を差し置いてでも、行くのですか？

今も部屋で兄さんと、A様を呼んでいますよ？

早く帰ってきてください。若様が寂しがっています。

何より、私も愛おしい貴方様がいなければ、仕事が手に付きません。

ﾇﾗﾘ「どうせ行くのでしたら、せめて、直接言ってくださいよ。」




オロチside

Aが突然消えたと、噂で聞いた。そんな筈はないと俺はすぐ様エンマ邸に向かった。

執務室に入ると、誰も居なかった。Aの自室にも。

若様の部屋かと思い、向かったが、聞こえてきたのは

すすり泣く若様の声と嗚咽だけだった。すぐに悟った。Aは居ないのだと

元祖で深く睡眠をとってる最中でさえ

若様が自室で泣いているのを勘づいて帰り

慰める様な奴が、今ここで若様を慰めないなんて、可笑しな話だ。

議長殿に話を聞くと、用があるから出た、との事だった。

何故だ？何故なんだA。1人で、たった一人で行かなければいけない用だったのか？

俺を、俺を頼って、何故、なぜ、ナゼｯ!!

ｵﾛﾁ「何でだ、A、なんで俺を、連れて行ってくれなかったｯ!!」



no-side

Aが急に姿を消した事により、彼を愛する多くの妖怪達が悲しんだ。

彼はそんな事に、気付いてはいない。ただ、弟は泣いているだろう。

それだけは何故か分かっていた。だが、それでも彼は歩みを止めない。

全てを捨ててでもやらなければいけない事があると。

貴「＿＿、きっと、約束を果たします。今度は、"俺から会いにいく"ｯ!!」

あまり変化しない表情が、硬い決意を表していた。

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