そういう関係 4 -江口拓也-

お迎え ページ4

「アレ……居ない……」



夜あそびも終わって、楽屋から出るもマネージャーの姿はない

財布忘れたからどうしようもないんだよな。なんて思いながら、マネージャーを探し始めると、ピロンっとスマホが鳴った



[外、着いてるから]



なんて、メッセージ


仕事終わりに何やってんだが
とは思いつつも、勢いだけで出てきた手ぶらな私は、それをスルー出来る訳もなく、大人しく彼の車へ向かった




江「お疲れ様、代打ありがと」

「いいよ、仕事だし
1回家帰ったんでしょ？タクシーで行くって言ってたじゃん」

江「帰ってくるって信じてたけど、ちょっと怖くて
マネージャーに連絡して先帰ってもらった」



お互い目も合わせず、淡々と会話して車は発進した

ちゃんと話し合え。なんて言われたけど、ごめんねも素直に言えない私が嫌になりそう




江「……ごめん、パソコン消そうとして勝手に仲のファイル読んだ」

「……ロック、かかってた、やつ……？！」



見られた、見られた見られた見られたッ!!!!


あんな言葉ばかり書いたあのファイル
弱音しかないあんなの、まさか見られると思ってなかった

舞い上がって、結婚記念日にしたのが間違いだったのかもしれない




江「……あんなに苦しんでんの、知らなかった」

「え、？」

江「助けて欲しいって、言えないの分かってたのに
俺なら気付けるって思ってたのに
ごめんな」

「なんで……拓也が謝んの……
私が悪いんだよ？！私が何にも言えなくて、約束守んなくて、八つ当たりしたんじゃん……！」




ホント、嫌になる

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