そういう関係 4 -江口拓也-

ゆっくり ページ1

ま「少し落ち着きなよ」

そ「まあ話聞いてる限りどっちもどっちなんだよなあ」

ゆ「江口さんも今頃頭冷やしてるでしょ、Aも1回頭冷やしな」



ゆゆに迎えに来てもらい、ゆゆの家に上がって少し経つと、同じマンションに住んでるまふと、そらるくん

話せる範囲で話してみな？と促され、ゆっくりと事の詳細を話せば、3人してため息をついた




ま「Aちゃんの旦那さんのことはよく知らないよ？
凄い声優さん。ってことしか俺は知らない

でも、旦那さんは心配してくれたんでしょ？
確かに締切迫ると焦るし、八つ当たりしたくなる気持ちも分かる

ちゃんとその気持ちは汲み取らないと」




震えるスマホをポケットから感じながら、まふにそう言われて、少し深呼吸してみた


心配してくれた
私の言い方が悪かった
ただの八つ当たりだった

自分の力が足りないだけなのに
拓也は何にも悪くないのに


激しい自己嫌悪陥って、グルグルと視界が回るような感覚になる

気持ち悪い


思わず膝を抱えて顔を埋めると、ポンっと軽く頭が叩かれて、ソファがギィと軋んだ



そ「お前はずっと頑張ってるよ
俺が何年お前のこと見てやってると思ってんの

難しいよな、自分の気持ちに素直になるの
ずっと、ちっちゃい時から我慢してきたもんな

でも、時には素直にならないと

相手は誰だよ、お前の大好きな旦那さんでしょ？」



無条件にお前を肯定してくれる人だよ

そう言われて、鼻がツンっと痛くなる



ゆ「とりあえず、心配してたから
うちに泊まるのは報告したよ
明日ちゃんと家に帰って話し合ってね」



顔を上げると、優しく笑うゆゆの姿があって、手渡されたスマホをみると拓也とのやり取りがあった



[家まで迎えに行って、とりあえず今は私の家にいます
もうこんな時間ですし、Aも江口さんもお仕事あるでしょうから、今日うちに泊まらせます

お互い言いたいこと沢山あると思うので、家でゆっくり落ち着いて話し合って下さいね]



返事はなく、既読だけついたメッセージ

恐る恐る自分のスマホを取り出してみると、不在着信の下にLINEの通知があることに気が付いた



[気付いてあげれなくてごめん
後でちゃんと話そう、喧嘩して疲れてるだろうけどやりたいだけやりな
でも夜遊びまではちゃんと寝ろよ]



「……うるっせぇよ、ばか……っ」

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