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「……うーん……
なんかどれもイマイチだねぇ〜」
パシャ、パシャ、と音が鳴り
眩いフラッシュがぱっと煌めく某スタジオ内で。
カメラ監督に呼ばれて、たった今撮った画像をモニターで確認するも渋い顔と声でイマイチだと告げられる。
「……そもそもキミはセクシー路線なんだよね?
なんかどれも胡散臭いというかさ……生々しさがないというかこう……ぐっとくるものが…………」
覚悟はしていたものの、ばっさりと私を指摘する声にまた胃がキリリと締め付けられる。
……うるせぇよ髭もじゃカメラマン。
分かってるよ自分に色気がないってことぐらい。
大体こんな仕事私だってやりたくてやってる訳じゃないし……事務所がやたらとその路線を押し付けてるだけなんだっつーの!
……とは言えず。
「…すみません、えっと……こうですか?」
「……うーん…」
「…じゃあこれとかはどうでしょう、?」
「……………」
ウィンクしたり衣装の裾を太股ラインギリギリまで上げてみたり、胸の谷間を強調してみたり。
それでも監督の渋い表情は変わらない。
…うぅ、なんで私がこんなこと…
と腹の中では悔しさや情けなさでいっぱいでも。
私は今日こそ失敗する訳にはいかないし……こればっかりは仕方がない。
……そう。全てはお金のため。
私はまだ事務所にクビ宣告されたくない……答えは単純……お金がないから!
「……はぁー…」
「……はぁー…」
がこんっと音を鳴らした自販機の取り出し口からミネラルウォーターを取り出して。
直ぐ様キャップを開けて一口ぐいっと流し込んだあとに1人ため息をつき、項垂れる私。
そんな時、全く同じタイミングで
似たような絶望感を滲ませるため息が聞こえた。
……え、誰かこの休憩室にいるの?
事務所の奥の奥の普段あまり使われていないフロアにある小さな休憩室。
自販機とソファしかないここは結構穴場で私のような事務所の底辺に似合う薄暗い場所。
私とは別のため息を耳にして、その主が誰なのか気になって。
そっと聞こえた方向へと足を進めてみる。
「…誰かいるんですか、?…………ぎゃっ!」
自販機の影の方かな、なんて踏み出した時に何かに躓いて。
……え、君はまさか……
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みゅー(プロフ) - 初めまして^_^ もう続きが気になります!!更新されるの楽しみにしてます(^ ^) (2020年11月28日 18時) (レス) id: 6c527f49bb (このIDを非表示/違反報告)
みゅー(プロフ) - 初めまして^_^ (2020年11月28日 18時) (レス) id: 6c527f49bb (このIDを非表示/違反報告)
紫音 - 初めまして。大好きなじみんちゃんのお話を探してたらこの作品に出逢えました。普段完結ものしか読まないのですが。主人公の女性の気持ちに感情移入してしまい。素敵だなと思い読ませて頂いてます。お話し執筆されるの大変かと思いますが続きを楽しみにしています。 (2020年11月4日 13時) (レス) id: 4c311be18c (このIDを非表示/違反報告)
ぽこ(プロフ) - このお話大好きです!二回目でするっと解決とはいかなさそうですね(^^)これから2人がどうなるのか楽しみです〜! (2020年11月1日 14時) (レス) id: 6fe0a9177b (このIDを非表示/違反報告)
namicco(プロフ) - いつも楽しみによんでます。ジミンペンなのでいつもドキドキしちゃってます!ぜひ長く続けて下さい! (2020年11月1日 13時) (レス) id: 2bc59f1f36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱーふん | 作成日時:2020年10月18日 11時