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騒がしかったりおっとりだったり意地悪だったり、沢山の表情を見せるテヒョンでも、本当は優しいのを知っているから。
そんな天真爛漫なあなたが大好きだし私もこのもどかしかった距離をくっつけたい、と今になって欲が出て。
自分らしくないけれど、精一杯の好き表現したくて
待てないって言ったテヒョンにちゃんと返したくなって……自然に唇を重ねたんだ。
半開きの私の唇を大胆に何度か啄んで
やがて差し込まれたそれが熱くても。
びっくりするよりもなんでかな……胸がいっぱいになる。
初めてだし、恥ずかしいけどそれ以上にぽかぽかと心があったかくなった。
「……んっ…………ふ、……テヒョンっ、」
「……うん。大丈夫……ちゃんと息、して。」
大丈夫、と言ってるのに私を抱き寄せてる腕に力が込められて。
重なる唇が二人とも熱くて一緒で……それがとても嬉しいと思うなんて私、おかしいのかな。
でもテヒョンの声が優しいからで、それに私は抗いたくなんかなくて。
不器用なりに吐息を吐き出すんだ。
はぁっ、と時折漏れるそれが熱っぽくて私の中に入るテヒョンの舌はもっと熱くて。
ちゅ、と啄んではくちゅりと絡み鳴る水音も全部全部初めてだけど、それ以上に私を変にするのは彼の表情や仕草だから。
「……んっ……テヒョン、まって」
「やだ。まだだめ。」
細めた瞳と私を引き寄せてはどこか擽る指先が、私を普通じゃいられなくして私はよりぎゅっとテヒョンの肩にしがみついて。
意識が少しでも逸れてびくりと勝手にカラダが跳ねてしまえば掬うように下から私の唇を塞ぐテヒョンに……飲み込まれてしまう。
待たない彼の視線と、ゆっくりなのに大胆なキス。
それらに翻弄されても精一杯、分からなくても置いていかれぬように頑張りたくて懸命に酸素を取り込んで。
今さら、こんな時に好きが溢れてそれをあなたに伝えたくなった。
「……ふっ………すき、
テヒョン、………っだいすき、」
「………!………あぁー、もう…
俺も……俺も好き、」
不慣れで、不器用で、拙い言葉はありきたりでも。
不恰好なのが私らしくてこれしか今は出てこないけど……それでいい。
呼吸の合間に紡いだ言葉は震えてしまっても素直になりたい。
僅かに見開いたテヒョンのその表情がちょっぴり驚いていたって
そんなの……知らない。
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tete?(プロフ) - 素敵すぎます!!キュンキュンしたし号泣しました!ぜひ続編が読みたいです! (2021年10月22日 20時) (レス) @page50 id: 9f2748196d (このIDを非表示/違反報告)
かおりんこ(プロフ) - 初めまして!可愛いキュンキュンするお話をありがとうございました!ソウル編ぜひお願いしたいです🙏💜 (2021年10月21日 20時) (レス) @page50 id: 938f0fcb54 (このIDを非表示/違反報告)
かづき(プロフ) - はじめまして。二人のかわいらしさにかは寄せられて、毎回更新が待ち遠しかったお話です。幸せな結末でうれしかったんですが、もう終わっちゃうのかと寂しくなりました。ぜひ、続編をお願いします。楽しみにしています。 (2021年10月20日 16時) (レス) @page50 id: 3327e12a6b (このIDを非表示/違反報告)
hal(プロフ) - はじめまして。楽しく読みました♪ ソウル編も読ませていただけましたら嬉しいです。 (2021年10月20日 16時) (レス) @page50 id: 17280345a0 (このIDを非表示/違反報告)
まりか(プロフ) - キュンキュンするお話ありがとうございます( ; ; )ソウル変更楽しみにしてます💜 (2021年10月20日 3時) (レス) @page50 id: fc911e40d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミイミイ | 作成日時:2021年9月9日 23時