こじらせ女子のオトナ社内恋愛

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YG｢……いい加減にしろよこのクソ営業。
もっとマシな仕事持ってこい。｣









　
　




　
散らかってる机周りや換気をしているのかどうなのか、空気が淀んでいて。
雰囲気もろもろ暗いし思わず顔をしかめてしまうこの場所は、わが社のシステムエンジニア達が集まる部屋。






先ほどの企画書を持って交渉するために足を運ぶも、私を視界に入れた瞬間に目の前の男は心底嫌そうにしながら書類も見ずに冷たくあしらう。



……まぁでも、これは毎度のことだ。









　




　


　
｢……文句はこの企画書を見てからにして頂けますか。｣



YG｢……あ？んなモン見なくても分かるっての。
却下だ。こっちを無視してしょーもない仕事ばっか回してんじゃねーよ。おかげで休みなしだぞふざけんな。｣









　


　


今日はやたらと機嫌が悪いな、とは思うけれどここで怯む私じゃないし、この男とは同期だから怖くはない。




ただでさえ肌が白いのに今日はそれ以上に白いというか………死人のよう。


私の同期であるミン ユンギは私たち営業を敵だと云わんばかりに牙を向けるけれど、いくら憎まれ口を叩こうが仕事には一切手を抜かない誠実さがある。









　



　
　
｢納期はそちらにお任せします。｣



YG｢………そうじゃねぇ。｣



｢……顔色悪すぎます。これ一番高い栄養ドリンクです。
よかったら飲んで下さい。
それと……いつも無理を押し付けてごめんなさい。｣



YG｢…………もう一声。｣



｢……えっと……肩でも揉みましょうか、？｣



YG｢……セクハラで訴えるぞ。｣









　
　


　

社内では変わり者が多い、と煙たがられるエンジニア達は確かにこの部屋全体が陰気くさいし皆寝不足気味で苛立ってるから、足を踏み入れるには勇気がいるのかもしれない。



……でもなんでかな。
今日の私にはここの淀んでる空気とか暗さとか同期のミン ユンギの口の悪さに……何故か心が落ち着く。



モサモサの髪。
長い前髪なんかは本当に顔全体を隠していて、入社同時はすごく可愛い顔をしていたような印象すらあったのに今はもう素顔すら思い出せない。




私の悪い噂とかこの見た目の冷たさとか仮面を塗りまくった全部とか。
それをこの男はどう捉えてるのかはわからないけど、こうやって憎まれ口叩きながらもきちんと仕事は仕事、と受け入れてくれるのには毎回本当に……救われるんだ。









　
　

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